菊川駅から徒歩約1分。大通りから1本入った路地裏にあるビストロ。パリと南仏で10年間にわたり研さんを積み、西麻布のワインバー「ゴブリン」でシェフを務めた寺岡昌三が2022年にオープンさせた。店内はライブ感あふれるオープンキッチンがあり、肩肘張らない心地よさが漂う。
料理は、南仏の郷土料理をメインに、修行時代に学んだエスプリをきかせつつ、独自の感性で昇華させたメニューがそろう。スペシャリテは「ブイヤベース」(3,600円、以下全て税込み)。多様な甲殻類と魚介のうまみ、ニンニク、サフラン、ハーブの香りが織りなすスープは驚くほど濃厚で、重層感ある味わいだ。
肉好きなら「イベリコ豚プルマのロティ」(4,200円)がおすすめだ。プルマとは背肉の一部で、赤身と脂のバランスに優れた希少部位である。外側はこんがり、中はほんのりピンク色という絶妙な火入れ具合。噛めば噛むほど口の中でジューシーな肉汁が広がる。
合わせるワインは、ローヌやプロヴァンス、ラングドックなど南仏を中心としたグラスワインを常時10種類ほど揃える。目と舌でつかの間のプチトリップを堪能したい。