ステレオからはビーチボーイズが流れ、満面の笑みのスタッフたちは野球キャップをかぶり、ビンテージのコカコーラマシーンが店のあちこちに置かれている。「ミラービール」のネオンサインにルイジアナとカリフォルニアの錆びたナンバープレート、古いアメリカのガススタンドのモノクロ写真も飾られている。この店が都立大学駅周辺で最も1960年代のアメリカに近い場所だ、と言って差しつかえないだろう。
オーナーの水上誠二は、前職で度々訪れたアメリカのダイナーに魅せられ、2005年に「エーエス クラシックス ダイナー(AS Classics Diner)」をオープンした。メニューにはアメリカから輸入した「ブルックリンラガー」やA&Wのルートビアに加え、恐ろしく濃厚なシェイク、甘いもの好きのためのアップルパイやチェリーパイなどが並ぶ。食事メニューも、クラムチャウダーやコブサラダ、ミートローフといった典型的なアメリカのダイナー料理はもちろん、ブリトーといったメキシカンまで味わえる充実ぶりだ。「ハンバーガーを食べなくても食べるものはたくさんある」と水上は笑う。
予想はつくと思うが、ほとんどの客は巨大なバーガーを目当てにここへやってくる。いろいろなエキストラトッピングも頼めるが、上質なビーフの味を楽しむにはシンプルなままが一番。トマト、オニオン、ソースの入った「ベーコンチーズバーガー」はずっしりと重みがあり、大きい。
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