航海をテーマにしたデザイン旅館。歴史ある温泉街の伊東にあり、水平線を眺められる開放的な温泉が自慢だ。同旅館のインテリアは、数々の商業施設の内装を手掛けてきたスーパーポテトがデザインしたもの。モダンで斬新なインテリアを用いつつも、日本の伝統旅館ならではのおもてなしを受けることができる。
ロビーや各部屋には、実際の船で使われていた舵(かじ)などのヴィンテージ材で構成したオブジェが飾られ、最上階の温泉の横には船の甲板のような展望デッキがある。45室の客室は、コンパクトで快適なキャビンタイプと、アナログレコードを聴きながらゆったり過ごせる広いリビングのスイートタイプの2種類で、いずれもオーシャンビューだ。
旅館名は、1600年代にイギリスから漂流した航海士ウィリアム・アダムスにちなんで名付けられた。日本初の西洋式帆船、サン・ブエナ・ベントゥーラ号を造船した功績を徳川家康に称えられ、日本名の三浦按針(あんじん)を授かった彼は青い目のサムライと呼ばれていた。按針が伊東の船大工とともに造船したドックが宿の目の前にある。
食事も按針にちなみ、英国の食文化を取り入れた和会席。和風にアレンジしたフィッシュアンドチップスや、アフタヌーンティツリーのようなプレゼンテーションの八寸など目にも楽しく、伊東の海の幸を楽しめる。8月の按針祭など、伊東には花火大会が多く、全室や最上階のサンブエナデッキ、露天風呂からその迫力を満喫できるのも魅力だ。