せっかく訪れるなら、その都市が持つさまざまな顔を見てみたい。もしあなたがそう考えているなら、「AIR OSAKA HOSTEL(エア オーサカ ホステル)」に宿泊するのがいいだろう。大阪ミナミの中心地・難波から地下鉄で10分、近年「アートの街」としてジワジワと知名度を上げている北加賀屋にあるホステルだ。
まるで異空間へとつながっていそうな草木が生い茂った入り口。中に入れば、古い旅館を改装して作られたとあって、どこか懐かしい雰囲気が漂う。出入りする宿泊客も「こんにちは〜」ととてもフレンドリーで、数時間滞在すれば「ただいま」と言いたくなるような安心感に包まれる。
所々に見られる壁の絵やデコレーション、オブジェなど、やはりアートがコンセプトなのかと思いきや「コンセプトは決めないことにしています」とオーナー。「自分だけで完結した世界を作るのではなく、お客さんの能動性を大切にしたい」とのこと。ここで見られる作品の多くは滞在した人が描いたり、置いていったりしたもので、いわば宿泊客の「痕跡アーカイブ」だ。
この場所でのゆったりとした「余白」を演出するのに一役買っているのが、ラウンジ部分を間借りする形で展開されているカフェ「sakuri」。「カラダにやさしく、おいしい」をテーマに、紅茶(500円から)や旬のフルーツをふんだんに使用したスイーツを提供している。
名物の「sakuriプリンのパフェ」(800円)は、紅茶と洗双糖を煮詰めて作ったソースがじんわり体に染み渡る。トッピングされた猫型のクッキーもキュート。運が良ければ、看板猫のウルフちゃんに遭遇できるかも。