ゴールデン街にある、小さなバー。地図では見つからないので少しわかりにくいが、バーの名前ともなっている「Not Suspicious (中に怪しいものはない)」と書かれた張り紙が目印だ。足を踏み入れて見ると、小さな店内は床から天井まで、これまで訪れた人が残していったメモやメッセージ用紙でびっしり張り巡らされている。
どんなに狭くて混雑していても、訪れた者は肩を寄せ合って仲間になったかのような濃厚な時間を過ごすことができる、そんな不思議な空間だ。次の店に移動する前に必ず注文してほしいのは、『サスピシャスショット』。グラスに沈んだ怪しげな紫の球体は、ぶどうフレーバーのアイスキャンディで、ショットの後の口直しにはもってこいの組み合わせだ。メモ用紙で溢れた店内は発火しないようもちろん禁煙となっている。