新宿ゴールデン街にあるレモンサワーの専門店。レモンサワーをメインにしているというだけでも、どんな店なのかかなり引かれる部分はあるが、同店の魅力はそれだけではない。なんと店の壁一面に、所狭しと本が並べられているのだ。
同店のオーナーを務める田中は、直木賞作家、田中小実昌の孫。店内には、田中小実昌が執筆した本や彼と交流のあった作家の本など、祖父から受け継いだという蔵書を中心に、さまざまな本が置かれている。これらの書物は、実際に手にとって読むことも可能。古本屋はともかく、現在の書店ではなかなか見かけないようなものも数多くあるので、レモンサワー片手に新たな世界に足を踏み入れることのできる絶好の場となっている。
もちろん、専門店というだけあってレモンサワーも大満足の味わいだ。下北沢にある「サーモンアンドトラウト(Salmon & Trout )」の店主、森枝が監修し、クラフトビールなどで使われることの多いランドルフィルターを用いて作られている同店のレモンサワーは、ほかでは味わえない至極の一杯。フレッシュなレモンの香りと焼酎の存在感がしっかりと感じられる「大人のレモンサワー」といった感じだ。
しかし、アルコールだけがただ強いのかというと決してそういうわけでもない。自家製のシロップが良い働きをし、レモンの爽やかな風味、アルコール、シロップの甘さが最高のバランスとなっている(シロップは好みで抜くことも可能)。
さまざまな人たちが集まる同店は、これまでゴールデン街になじみがなかったという人もきっと何度でも足を運びたくなるお気に入りの一軒となるはずだ。
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