サッポロビールの前身である「大日本麦酒」の本社ビルとして1934年に完成した「銀座ライオンビル」。ほぼ同時に1階にオープンした「銀座ビヤホール」は、当時としては贅(ぜい)をつくした造りであることから、建築家から絶大な称賛を集めた。
戦時中、多くのビヤホールは空襲により焼失したり取り壊されたりしたが、同店は奇跡的に戦火を免れた。1945年には連合国最高司令官総司令 (GHQ)に接収され、軍専用のビヤホールに。1952年に接収が解かれ、一般客の利用が可能になった。現存する日本最古のビアホールとしても名高い。
内装のコンセプトは「豊穣(ほうじょう)と収穫」。豊かな実りが感じられる大麦やブドウをモチーフとした装飾が所々に施されている。まるで教会のような重厚な風格は圧巻だ。2022年2月、国の登録有形文化財建造物に登録された。
「琥珀ヱビスプレミアムアンバー 」「白穂乃香(しろほのか)」「エーデルピルス」といったサッポロビールの豊富なラインアップの生ビールが楽しめる。歴史が詰まった空間で上質なビールをたしなみながら、激動の時代に思いをはせたい。