狭い階段を抜け、落書きだらけのドアを押したところに広がるのは、ギラギラと近未来的な装飾が輝くバー。深い意味があるのかとオーナーに尋ねると、2001年のオープンから10数年の間に、アーティストやミュージシャン、あるいは何者でもない個性的な人々が入れ替わり立ち替わりする中で、自然と今の空間ができあがったのだと言う。奇抜な内装の反面、店内は不思議と穏やかなたたずまいで、一人でグラスを傾けるにも気兼ねなく過ごせる。ウイスキー、焼酎、日本酒、ビールなどレギュラーメニューに加え、自家製サングリアやコーヒー焼酎、つまみが供される日も。音楽作家としての顔を持つオーナーこだわりのサウンドシステムから流れる、ノイズやアンビエント音楽を聴きに訪れるだけでも価値のある場所だ。コアな音好きであれば、さらにその好奇心を満たしてくれるだろう。
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