[title]
2020年は日本にとって、そして東京にとっても特別な一年になるはずだった。本来なら、今頃は東京オリンピックの真っただ中。世界中の人々が東京を訪れ、熱狂と興奮を分かち合えるよう、日本ならではの「おもてなし」が各地で提供されている予定だった。しかし実際は日本への入国制限のため、外国人旅行客の姿はほとんど見られない。また、Go To キャンペーンの対象外になったことなどから国内旅行者も東京への旅行を控えている。
皮肉なことだが、東京はいまだかつてないほど「空いている」状況だ。普段は混み合う観光スポットや娯楽施設が閑散としている今こそ、私たちが住む街の魅力をじっくり体感して見てほしい(もちろん、ソーシャルディスタンシングやマスク着用などの安全対策は徹底しよう)。ここでは、世界に誇る美術館から有名レストランまで、今だから行くべき東京のアトラクションを紹介する。
1. チームラボと草間彌生ミュージアム
普段はチケットの入手が難しい人気ミュージアムやギャラリーも、待ち時間無しで入場できるケースが高い。デジタルアートミュージアムのチームラボボーダレスとチームラボプラネッツは、ソーシャルディスタンシングや感染症予防対策を徹底しながら開館している。現在チケットの現地販売は行っていないが、オンライン予約システムを導入。海外からの来場者が少なくなった今、1カ月前から予約する必要はなく、当日でもオンライン予約が可能だ。
世界中からファンが訪れる草間彌生美術館も、びっくりするほど空いている。7月30日から始まった草間の展覧会『我々の見たこともない幻想の幻とはこの素晴らしさである』への入場券にも余りがあり、数カ月間はかなり空きがあるという。
入場できるのが木曜日から月曜日までということもあり、同展のチケットは当初争奪戦となることが予想されていた。こちらも、チケット予約はオンラインでのみ受け付け中。館内ではマスクの着用が必須となるが、ひんやりと涼しい美術館で、夏の一日を快適に過ごすことができるだろう。
2. 明治神宮
イケアの新店がオープンしたこともあり、買い物客で盛況なのが原宿だ。一方隣にある明治神宮は例年よりずっと静かなので、雑踏から離れてリフレッシュしたい人には好環境となっている。巨大な鳥居の向こうにある神聖な森に足を踏み入れ、明治神宮で参拝してみよう。午後はセミの鳴き声を聞きながら、木漏れ日の下をゆっくり散策してみるといい。
また、現在明治神宮では鎮座100年を記念した展示『神宮の杜芸術祝祭』が開催中だ。松山智一のステンレス彫刻や、神宮内の森林内に隠された動物のインスタレーションなどを展示している。
3. 東京タワーと芝公園
東京に住んでいるのに東京タワーを訪れたことがない、という人も多いのではないだろうか。海外からの観光客やツアー客がいなくなった現在、東京タワーの展望台まで続く外階段が毎日解放されており、ちょっとした運動コースになっている。歩いて登るのに抵抗がある人はお弁当を買って近くの芝公園へ。パワースポットとしても知られる増上寺に立ち寄ってみるのもおすすめだ。
夜は、東京タワーの真下にある縁日スタイルの『ハイボールガーデン』で乾杯しよう。角ハイボールはじめ各種ハイボールを用意、おつまみメニューも豊富で、もちろんビールも飲むことができる。ライトアップされた東京タワーを眺めながら、都会の夏のひとときを満喫してほしい。
なお、2020年8月31日(月)まで『GO TOwer キャンペーン』を実施。浴衣や甚平を着て行くと、メインデッキ(150メートル)までの展望料金が割り引きになる(1,100円、高校生950円、中・小学生650円、4歳以上450円)。
4. 今こそ行くべきレストラン
東京には食の巨匠アンソニー・ボーディンや、デイビッド・チャンが絶賛した注目の一流レストランが数多く存在する。開店前から大行列ができる新宿にあるうどん屋の慎や、東京一のピザとして讃えられるサボイ(savoy)は、年間を通して世界中から多くの人が訪れる名店中の名店。ここ最近の行列時間はかなり短くなっているので、訪れるなら今がチャンスだろう。
ミシュラン星を獲得したラーメン屋、ソバ ハウス金色不如帰も行列の絶えない人気店だが、海外からのラーメンハンターたちが激減した今は待たずに入れる日もあるという。スイーツ好きは、トトロのシュークリームで知られる白髭のシュークリーム工房へ。普段はすぐに売り切れてしまう愛らしいシュークリームやスイーツを並ばずにゲットするチャンスだ。
また、観光客のいない築地場外市場は昔の表情を取り戻したかのよう。人混みを気にすることなく、ゆっくりと築地グルメを味わえるだろう。
関連記事