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2020年のオリンピック、パラリンピックの開催まで1年を切った。世界中から約1000万人もの来場者を迎えるという盛大なイベントに向けて、東京都とアーツカウンシル東京は、文化に富んだ「芸術文化都市東京」の魅力を世界に発信しようと、2020年まで東京で多彩な文化プログラムを展開する大規模な祭典『Tokyo Tokyo FESTIVAL』を推進している。
8月28日、東京都渋谷区のスパイラルホールで開かれたフォーラムでは、同イベントの中核を担う『スペシャル13』の企画者らが初めて結集。国内外から寄せられた2436件から選ばれた13件のうち、シークレット企画1件を除く12件のをプロジェクトの内容を発表した。
ここでは、フォーラムの様子や、13件の中でも年内に開催を予定しているなど、今から注目したい企画の発表をレポートする。
登壇した『スペシャル13』の企画者ら
オープニングでは、アーティストの蓮沼執太とコムアイの2人がパフォーマンスを行い、幻想的なサウンドで会場を満たした
全日本ダンストラック協会が9月5日(木)から開く『DANCE TRUCK TOKYO』は、輸送トラックの荷台を舞台にダンスパフォーマンスを披露する、移動型の公演。東京都23区のほか、多摩地区や島しょ部など15カ所を巡りながら実施される。
登壇した協会役員の岡崎松恵は「見に来る人はもちろん、道行く人たちが偶然パフォーマンスに遭遇してしまうという状況も狙っている。ダンサーは若手からベテランまで参加し、パフォーマンスはワンステージ15分ほど。街中の空き地を有効活用しながら、みんなが五感を使って楽しめるプログラムになる」とプロジェクトについて説明。
司会を務めた「ペチャクチャナイト」創設者のアストリッド・クラインは、「本当に楽しい企画。将来的には、より多くのダンストラックがいろんな場所に出現して、みんながオープンに踊れる場所を東京に作り出してくれるとうれしい」とプロジェクトへの期待を表した。
直近のプロジェクトは、9月5日(木)18時半から新宿中央公園で、9月22日(日)18時から足立市場で開催予定。LEDが輝くトラックの中で突如として繰り広げられる、幻想的なパフォーマンスを見られる機会を、見逃さないようにしたい。
Light and Sound Installation “CodedField”
リオ大会でも演出技術開発を担当したライゾマティクスが手掛けるのは、歴史ある港区芝公園の増上寺と、高度な位置情報システムや独自に開発した最新技術を掛け合わせた、幻想的なアート空間。同社が開発したデバイスを使うことで、会場では光や音が参加者らの動きに合わせて呼応するなど、体験型のインスタレーションが楽しめる。
登壇した同社取締役の真鍋大度(まなべ・だいと)は「今後、世界的に使用されるあろう技術を使ったプロジェクト。今までに見たことのない風景が広がることになると思う。かなり大掛かりなプロジェクトだが、11月の開催に向け準備を進めているので、ぜひ足を運んでほしい」と呼びかけた。
近未来の光景を、一足先に体験できるかもしれないこのイベントは、2019年11月16日(土)に浄土宗大本山増上寺で開催予定。参加には事前申し込みが必要なので、ホームページで詳細が発表されるのを待とう。
このほか、特に有名でもない「誰か分からない人」の巨大な顔の立体造形物が、東京の空に浮かぶという奇想天外なプロジェクト『まさゆめ』や、東京の伝統的な憩いの場である銭湯の文化をアートで発信する『TOKYO SENTO Festival 2020』、エストニア共和国に伝承される踊りなど世界各地の貴重な無形文化財が集結する『世界無形文化遺産フェスティバル2020』など、実に多種多様なプロジェクトが、2020年までに開催を控えている。
「新しい挑戦があるか」「障害者や高齢者、外国人などあらゆる人が参加できるか」「伝統と現代の共存をはじめとした独自性があるか」といった、3つの審査基準を通過した企画だけに、先見性にあふれ、今から開催が待ち遠しいものばかりだ。
各プロジェクトは2019年9月から2020年9月までの間に実施予定。開催時期やエリアはプロジェクトによって異なるため、詳細は随時更新される公式ホームページをチェックしてほしい。
2020の東京を、多様性や独自性、アートで満たす祭典に期待しよう。
年内開催イベント詳細