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ロンドンの劇場における今後の見通しは全体的にやや暗いと言っても過言ではない。小売業からホスピタリティ産業までほかの業界では営業再開を果たしているが、3月にロックダウンが始まって以来、劇場の扉は閉ざされたままで、業界全体で復活を思い描くのが困難になっていた。
しかし、2020年7月17日の会見で、イギリスの首相であるボリス・ジョンソンはロンドンの劇場について、条件付きで8月1日(土)に再開を許可することを表明。政府によるこの劇的な動きにより、劇場業界が新たなスタートが切られることになった。
同日からの営業が許可されるのは、劇場に加え、ボウリング場、アイススケート場、カジノなどのレジャー施設も含まれる。首相は会見で国民に向け「パイロット公演の成功を条件に、8月1日から観客を入れた屋内劇場での公演を再開可能にする。さらに秋から大規模イベントを再開するため、観客数を増やしたパイロットイベントを実施していきたい」と語った。
デジタル・文化・メディア・スポーツ省のトップ、オリバー・ダウデンはソーシャルメディアでこのニュースについて言及し、「劇場での屋内公演再開はロンドン交響楽団などの団体とのパイロット公演の成功に掛かっている」と説明。
すでに、人気ミュージカル作品の作曲を多く手がけるアンドリュー・ロイド・ウェバーは政府と協力して、ソーシャルディスタンスを取り入れたパイロット公演をロンドン・パラジウムで行っている。
夏にウェストエンドでのミュージカル公演に感激するまでには、業界ではまだ多くの課題が山積みだ。特に、ソーシャルディスタンスが求められる期間は、出演者とスタッフが公演再開に当たり一緒にリハーサルをすることが難しくなる。また、多くの劇場は、観客数が半分となりチケット収入が減少するため、経営に苦労するだろうと不安を見せる。
こういった状況でも、8月25日(火)から『スリープレス・イン・シアトル』を上演するトルバドゥール・ウエンブリー・パーク・シアターなど、8月からの営業再開する発表している劇場も出てきている。
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