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「コアすぎる」「タイル萌えにはたまらない」「狂っている……」。東京都交通局が製作したチョコレート『Toei Détail』(トエイ ディテール)の発売が発表されるや否や、その異質なコンセプトがインターネット上で話題を呼んだ。
都営地下鉄の駅の壁や天井、床をモチーフにし、監修を名店ショコラティエ パレ ド オールの三枝俊介に依頼したという本品。全12種類あるラインナップは、都営大江戸線「麻布十番駅のホームの壁」「新御徒町駅の改札前の壁」、都営新宿線「九段下駅の改札階の天井」「本八幡駅の改札階の壁」、都営浅草線「宝町駅のホームの壁」「浅草駅のホームの床」など、一般人がピンと来るわけがないマニアックな内容ばかりだ。駅フェチズムがほとばしるこの企画は、どのようにして生まれたのか。東京都交通局の担当者に話を聞いた。
ー駅のディテールをチョコレートにする、というアイデアはどのようにして生まれたのでしょうか。
皆さんが利用している地下鉄の駅構内には様々な壁や天井、床などがありますが、意識されることはあまりありません。こうした壁などに興味を持ってもらい、都営地下鉄に対して愛着をもってもらいたいと思い、都営地下鉄ならではの商品を作れないかと今回の企画を立ち上げました。路線や駅ごとに特徴的な壁などがありますが、それらのディテールを忠実に再現するのにチョコレートが適しているだろうということで選びました。
ー12種類のディテールの選定は、どのように行われたのでしょうか。
選定は、101駅すべての駅をくまなく見て回り、集めた写真の中からチョコレートにして面白そうなものをチョイスしました。それらを実際に三枝さんが現場で見ながら型を起こしていきました。
ー三枝氏に依頼したのは、なぜでしょうか。
デザインが面白いだけでは意味がなく、やはり見栄えと味を楽しんでもらいたいと思い、日本を代表するショコラティエである三枝さんに依頼しました。
ー依頼を受けた三枝氏は、どのような反応をしていましたか。
三枝さんは「チョコレートを使って地下鉄を表現するという、まったく噛み合わない予想外のお話をいただいた時、ものすごく面白いものができるのではないか、と直感した」とのことでした。
ー完成品についての感想を教えてください。
駅の壁の凹凸や模様が見事に再現されているのに驚きました。味がおいしいのはもちろんですが、チョコレートの中にライスパフなども入っており、食感も楽しめました。
ーToei Détailを通じて、都営地下鉄ユーザーに伝えたいことはどんなことでしょうか。
普段、皆さんが何気なく利用している地下鉄の駅構内には様々な壁や天井、床などがあります。今回の企画で皆さんにも興味を持ってもらい、都営地下鉄に対して親しみや愛着を持ってもらいたいと思っています。そして、都営地下鉄の取り組みにも注目してもらえたらと思います。
『Toei Détail』は、3月11日(月)~17日(日)の期間で、都営新宿線 新宿三丁目駅のC1出口前と都営大江戸線 新宿西口駅のJR新宿駅方面改札付近、都営大江戸線 都庁前駅のA3出口前の3ヶ所で販売される。販売時間は11時~20時で、1日の販売数量が完売した場合は閉店となる。駅の細部も愛して欲しい……という当局の狂気じみた想いを、とくと味わいたい。