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海外旅行の本格的再開は2024年にずれ込みか

当初の見込みは楽観的だった? IATAが予測を1年後ろ倒しに

Maxim Boon
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Maxim Boon
Empty airport terminal
Photograph: Unsplash/Safwan Mahmu
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2020年5月、航空業界の専門機関の一つである国際航空運送協会(IATA)は、2023年まで飛行機を使った海外旅行が新型コロナウイルス流行以前の水準に戻ることはないだろうと予測していた。しかし、世界各国で第2波が広がり続けているため、当初の見込みは事実上楽観的だったと、7月下旬に新たな予想を発表した。

同協会は声明で、「全世界の旅客数が以前の水準に戻るのは、1年遅れて2024年になる見込み」と発表。さらに「海外旅行が依然として限定的であるため、世界の旅客輸送の回復は予想よりも遅れている」と付け加えた。

短距離便や国内線は早くに回復する可能性が高いが、海外便に関しては世界中の航空会社が大きな課題に直面している。例えばオーストラリアでは、国境は外国人や在留資格保持者対して封鎖されたままで、国内でも旅行は限定的。ビクトリア州の人々は現在、オーストラリアのほかの州や領土に入ることさえできない。現在、シドニーからオーストラリアのほかのほとんどの主要都市への旅行も制限がかかっている、もしくは完全に禁止だ。IATAは、オーストラリア国内の旅客輸送について、2020年末までに通常の状態に戻る可能性が高いとの見通しを示していたが、今は懐疑的に見られている。

航空機による海外旅行は前年同月比で86.5%減少していて、2020年5月に記録された91%の減少からわずかに改善した。これは、中国周辺の旅行者が増えたことが主な要因とされる。しかし、ウイルスのまん延は世界の多くの地域、特にアメリカやスペインなどの一部のヨーロッパ諸国で増加し続けており、広範囲に及ぶ旅行が可能になるのはまだ遠い先だ。IATAも「消費者マインドが落ち込んでいて、世界の多くの地域では感染がまだ増加中です。これらは、景気回復期間の長期化と産業や世界経済へのさらなる痛手が増えること示しています」と警告している。

海外旅行の将来は、ワクチンの開発やその世界的な普及と密接に関係している。現在、第3段または第4段階の臨床試験が行われていて、多くの有望なワクチン候補がある。しかし、以前のように世界中を自由に移動できるようになるのは、大量接種が可能になるまで待たなければならない。

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