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最高額は31万円、MoMAが在庫の希少本を放出へ

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Sato Ryuichiro
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ニューヨーク近代美術館(MoMA)が在庫から希少本を放出中だ。同館もコロナ禍の影響下にあって財政的な問題を解決する狙いがあると考えられる。

販売されるのは、日本円で9,300円から31万500円までの書籍。最も高額なのは、1976年のウィリアム・エグルストンの展覧会に際して出版された『William Eggleston's Guide』の初版本で31万500円。この展覧会はカラー写真を初めて美術館で展示したことで知られ、それゆえにこの書籍の写真史での影響力もまた大きいとされている。

ほかにも、1936年の『キュビスムと抽象絵画』で発表された、近現代美術を学ぶと必ず出てくるダイアグラムで知られる初代館長のアルフレッド・バー。彼が著した1950年の『The Museum of Modern Art : Painting and Sculpture Collection』といった背景を知っていると貴重に思える渋めのタイトルから1951年の展覧会に合わせて出版されたリビー・タンネンバウム『James Ensor』といった手頃な価格でライトな内容のものまで85点がそろう。

一般的な古書市場の価格に比べると、やや割高な印象のある価格設定が目立つ。しかし、安定して良質なコンディションの在庫が一定して確保されている点は、バラツキのあるコンディションで1点限りの在庫がほとんどの古書市場よりも優れている。

なお、現在MoMAは、これらの希少本をアメリカ合衆国外へ発送していない。売り出されたタイトルを見るだけでも楽しいが、欲しい書籍が見つけられたら、ほかのマーケットで探すのも良いかもしれない。

また、書籍には過去にMoMAが催したさまざまな展覧会のカタログも含まれているので、MoMAの歴史を垣間見ることもできる。詳細なタイトルはMoMAのオンラインストア公式サイトを参照してほしい。また、MoMAの公式サイトでは、草創期からの展覧会の会場風景を閲覧できる。こちらも併せて見てみよう。

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