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日本には現在、約282万人の在留外国人が住んでいる(※1)。在留外国人とは、3カ月以上の滞在もしくは永住が認められた日本以外の国籍を持つ人々を指し、外交員をはじめ特定技能実習生や留学生なども含まれるが、新型コロナウイルス感染拡大のなか、彼らに向けた支援情報の伝達に問題が生じている。支援制度のほとんどは、難解な日本語で書かれていることから制度の説明を理解するのはハードルが高く、情報を受け取ることができず困っている人々が多くいるという。
多言語対応で発信「#日本から国境をなくすプロジェクト」
こうした声をもとに、オンラインビザ申請サービスを提供するone visaと、ウェブサイトの多言語ソリューションを提供するWOVN.ioは「#日本から国境をなくすプロジェクト」を発足した。
内容は、政府が発表する新型コロナウイルス感染症関連の支援情報を、多言語で分かりやすくまとめて発信するというもの。緊急性の高い個人向けの生活支援制度からはじめ、需要の高い英語、中国語、韓国語、ひらがなを使った易しい日本語で発信。最新情報や他言語への対応も含め順次アップデートをしていく予定だ。
進む外国人材の受け入れと、私たちにもできること
近年、日本に住む外国人の人口は年々増加の傾向にあり、2019年には新たな在留資格「特定技能」が創設され、働き手として外国人の受け入れを積極的に行っている。今回未曽有の事態のなかで、同じ国の住民へ想像力を働かせることの重要さや、言語によるハンデや情報共有など改善すべき点が多数あることが分かったのではないだろうか。これは政府だけでなく、私たち国民の意識にも言える。
one visaのCEO、岡村アルベルト氏は、「互いのバックグラウンドや文化の違いは認め合いつつも、同じ国の住民であり、関係があるんだという認識がこれからの社会では広がると信じています」と語る。
本プロジェクトに賛同する企業では、自社の外国人材に積極的な情報拡散を行っている。プロジェクトをより多くの人に知ってもらうことが、より多くの困っている人々を助けることになる。本プロジェクトを知り、SNSなどでハッシュタグ「#日本から国境をなくす」とURLをシェアしよう。
テキスト:西山綾加
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