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平成生まれが懐かしむ昭和、海外のSNS世代にも人気のレトロカワイイ「喫茶宝石箱」

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Time Out Tokyo Editors
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昭和の香りを感じるレトロでファンシーなグッズや店舗が数年前から話題となっている。昭和に発売された文具や雑貨を紹介する本が何冊も刊行され、ファンシーグッズ収集家がメディアで取り上げられるようになった。その静かなブームは平成が終わり令和を迎えた今でも続いている。そんな昭和レトロ好きにとって一度は訪れたいスポットが、世田谷区南烏山にある。 

喫茶宝石箱は、京王線千歳烏山駅から徒歩5分、商店街を抜けた先の閑静な住宅地にある喫茶店だ。ドアや窓には白いレースがかけられ、お目かしした少女のイラストが描かれた看板が出迎えてくれる。

店内に足を踏み入れると一気にタイムスリップしたような感覚を味わえる。清潔感のある白い壁に、温もりのある木目調の棚、床は赤茶けた木のタイル。わずか8席の小さな店舗だが、壁際には今はなかなか手に入らないであろう玩具や文具から、西城秀樹やキャンディーズなどの昭和などのブロマイド、原田知世やピンクレディーのポスターなどありとあらゆる昭和グッズがきれいにディスプレイされている。

『ホットロード』『はいからさんが通る。』『ときめきトゥナイト』など懐かしのマンガや雑誌を開けば、当時の文化を感じることができるだろう。聞こえてくるのは昭和50年代の歌謡曲やポップスだ。

「おばあちゃんの家みたい」と言われることがあるほど時代を感じる作りだが、オープンは2009年7月。店長の金井ナオミが開店し、一人で切り盛りしている。

10代の多感な時期を過ごした、昭和50年代の文化が好きだった金井。自身が子どもの頃に通っていたような喫茶店の味が楽しめ、昭和のグッズに囲まれながら落ち着いて過ごせる店を始めたいと思い、OLを辞めて始めた。

看板メニューはクリームソーダ。定番のメロン味だけではなく、6種類(夏季は限定メニューも登場)もあり、全て宝石をイメージした名前が付いている。

メロン味の『エメラルド』、懐かしさを感じるブルーのラムネ味は『アクアマリン』、爽やかな後味のピーチは『ローズクォーツ』

 王道喫茶店のメニューである『ナポリタン』。ケチャップの味が効いていておいしい

この懐かしの味や雰囲気を求め、開店当初は金井の同世代や昭和を知る近所の住民が訪れていたが、ここ数年は平成生まれの10代、20代が多い。要因はSNSの発展だ。 カラフルなクリームソーダに、パステルカラーのファンシー雑貨は、「インスタ映えする」ということで訪れる客が増えている。

Instagramで「#喫茶宝石箱 」と、検索をかけるとたくさんの投稿を見ることができる。 そんな若い客の中には「宝石箱で初めてクリームソーダを飲んだ」という人もいるんだとか。 また、最近はSNSを通じて知ったという外国人も訪れ、欧米とは全く異なる発展を遂げた日本版クリームソーダに感動して帰っていくそう。

「おしゃべりをしたり、お店にある雑誌や漫画を読みながらゆったりと時間を過ごしてほしい」と話す金井。 どんなに時代が変化しても、喫茶宝石箱は、昭和の良さを残したまま変わらず、人々を出迎えてくれることだろう。なお、予約なしでも利用できるが、混雑時などはかなり待つこともあるので、事前予約がおすすめだ。

喫茶宝石箱の詳細はこちら

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