[title]
2020年7月16日、六本木に完全ノンアルコールバーの0%がオープンした。代表はクリエーティブディレクターで、元俳優の小橋賢児。プロデューサーの山本麻友美は、「私自身そんなにお酒が飲めないこともあり、誰もが同じものを飲んで共感できる時間をつくりたかった」とオープンの経緯を語る。六本木の地において酒類を一切出さないというのは、なかなか思い切った決断だ。
コンセプトは「宇宙にできた最初のバー」。「人類が宇宙に移住したときにみんなで一緒に楽しめるようなバーを作りたかった」(山本)という思いを、アーティストYOSHIROTTEN(ヨシロットン)率いるクリエーティブスタジオYARが見事に体現した。例えば、カウンター上に配したミラーには、六本木の街がゆがんで映し出され、アルコールを飲まなくても酔っている気分が味わえるという仕掛けだ。
ネオンのオブジェは、気鋭のネオンアーティストWAKUによるもの。一部メニューは、『The World's 50 Best Bars』に3店舗がランクインしたバーテンダー、後閑信吾に考案を依頼した。
メニューの一番上に記載されている、『A Real Pleasure ゼロ(0)になる』(1,500円)は、ベチバーウォーターをベースに、フルーツとバジルを合わせたカクテル。レモンやバジルの爽やかさが体の中に染みわたるようだ。フォトジェニックな器に入っており、二人で飲むこともできる。
ワインテイストのドリンク(赤・白)も用意。ワイン醸造用ブドウ搾汁を使ったもので、フレッシュで濃厚な果実の甘さが後を引く。そのほか、『コールドブリューコーヒー』(500円)や、10種類以上のスパイスとフルーツを漬け込んだ『自家製生コーラ』(550円)などもある。
「朝10時からから営業しているので、打ち合わせなどにも利用していただければと思っています。コンブチャもおすすめです」と山本。フリーWi-Fiやコンセントもあり、さまざまな用途で利用ができそうだ。
フードはビーガン対応。『アボカドフライ ケサディーヤ』(1,200円)や、罪悪感のないジャンクフードとしてカリフラワーを使った『バッファローカリフラワーケサディーヤ』(1,200円)もラインナップ。ビーガンであることを忘れさせる食べ応えがうれしい。ココナツオイルを使ったビーガンアイスクリームもオンメニューしている。
レモンとラズベリーの酸味に、ネパールのスパイス『ティムールペッパー(Timur Pepper)』のスパイシーな味わいをきかせた『Nepalede ネパレード、流星ジャーニー』。アルコールが入っていない方が、カクテルそのものの味わいを明確に感じることができることを実感できる。
そう、0%は、決して飲めない人のためのバーではないのだ。
「お酒を飲む方でも車で移動しているとき、食事をした後にもうお酒はいらないけれどもう少し時間を過ごしたいなど、さまざまなシチュエーションがあると思うんです。頭が冴えているけれど心がリラックスしている、心をゼロにする状態を作っていただければうれしいです」
現在、新型コロナウイルス拡散防止対策として、客席数を制限し、完全予約制で営業。予約は公式ウェブサイトから申し込むことができる。
テキスト:長谷川あや
関連記事