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学生が安全に電車通学できる社会へ、痴漢の実態伝えるアニメを制作

痴漢抑止活動センターが企画、クラウドファンディング支援募る

テキスト:
Genya Aoki
学生に知ってほしい痴漢の真実
学生に知ってほしい痴漢の真実
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Chikan(痴漢)は、HentaiやKaroshiと同じく日本が恥ずべき世界共通言語の一つだ。言うまでもなく性犯罪だが、満員電車の環境下では特に発生しやすく、日本は世界トップクラスの被害件数である。警視庁の統計によると痴漢被害(迷惑防止条例違反)の51.3、強制わいせつの15.5が電車内で発生、うち10〜20代が70以上を占めている。

2020年10月5日に、痴漢抑止活動センターの代表理事である松永弥生は、学生向けにこうした電車内痴漢の実態と、防犯情報を網羅した教育アニメーション『学生に知ってほしい痴漢の真実』の制作プロジェクトをクラウドファンディングで立ち上げた。

痴漢抑止活動センター代表理事の松永弥生
痴漢抑止活動センター代表理事の松永弥生


このプロジェクトに着手した背景には、『文部科学省×学校安全』のサイトに電車、バス内での痴漢に関する情報共有が全くないため学校側は痴漢対策の教育をしておらず、痴漢がいると知りつつも電車で通学させている現状がある。

学生に知ってほしい痴漢の真実
『学生に知ってほしい痴漢の真実』の絵コンテ。ドア付近の一部が点滅し、危険エリアが一目瞭然になるそう

 
「大人の言うことをよく聞く真面目でおとなしい子どもは、痴漢にとって理想的なターゲットです」と松永は語る。痴漢の中で性欲モンスターは少数で、ストレス発散の一種として行為に及ぶケースが多い。そうした痴漢犯罪者にとって、声を上げずおびえて固まってしまう相手へ犯行がエスカレートしていく反面、少しでもアクションを起こし逆らう相手は厄介なので避けたいのだそう。

学生に知ってほしい痴漢の真実
『学生に知ってほしい痴漢の真実』の絵コンテ。助けを求める女子学生に反応して母親、先生、鉄道警察隊などがポーズをとり、サポートを約束している

 
こうした情報やノウハウを交えながら、学生に「自分の体は大切なもので、合意なく誰かに侵されてはならない。意図的に触ってくる人がいたら、たとえ相手が大人であっても、嫌だと言う権利と、信頼できる大人に報告、相談して自分を守ってもらう権利がある」というメッセージを伝える。具体的な痴漢対処法はもちろん、鉄道警察隊、被害者相談窓口などもリンクした実用度の高いものになる予定だ。

「学生に知ってほしい痴漢の真実」
「学生に知ってほしい痴漢の真実」絵コンテ 痴漢と目を合わせたり、凝視するだけでも十分な抑止になるとのことだ


また、第三者への協力も促している。痴漢は何よりも他者の視線や介入を恐れている。もし痴漢行為だと判断できなくても、目の前で我慢しているように見える人がいたら「気分が悪いですか?」など話しかけることが最も高い効果を期待できるそう。できることをしてみてほしい。

学生に知ってほしい痴漢の真実
第5回痴漢抑止バッジデザインコンテスト受賞作品(2019年度)


アニメーション制作はウゴモーション、グラフィックは増喜設計室の増喜尊子が手がける。YouTubeや同センター主催の『痴漢抑止バッジデザインコンテスト』を通じて、多くの人に視聴を促していく。そうしたなかで「学生や周りの大人が痴漢に対する正しい知識を身に付けて防犯することで、あらゆる性犯罪を許さない社会になれば」と松永は話す。

この記事を読んで問題意識を持ったなら、ぜひシェアや支援といったアクションを起こしてみよう。それがより良い社会につながるかもしれない。

『学生に知ってほしい痴漢の真実』制作プロジェクトの詳細情報はこちら

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