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中国当局は味付けなしの豚肉が好みのようだ。
イギリスの幼児・子ども向けアニメシリーズ「ペッパピッグ」が、動画共有プラットフォーム「抖音(Douyin)」での配信を禁止された。登場するキャラクターが、反政府的な存在になり得るというのが、その理由だ。だがそれは間違っている。このブタのアニメはあくまでも子ども向けだ。今回の騒動は、まるで豚肉料理を間違えて翻訳するようなものだ。まさにそんな感じだ。
BBCによると、中国の国営メディアは、最近台頭しているアニメの影響力にますます神経を尖らせるようになっている。ペッパピッグは、子ども向けテレビアニメでありながら、中国全土の大人たちの間で驚くべき人気を誇っており、ペッパとその友だちは、中国のカウンターカルチャーの中で頻繁に取り上げられる存在になっている。特に、shehuiren(社会人たち)のサブカルチャーでも取り上げられており、パンクや反体制の人々と関連づけられている。
ペッパの画像は、インターネット上で流行り、人気を集めてきた。あるものは性的に挑発的な内容も含んでおり、ニュースサイト「シックスス・トーン(Sixth Tone)」が先週報じたように、NewCapCityブランドのTシャツシリーズにまで使われた。そのTシャツでは、ブタがギャングとして描かれており、「カネのない奴はしゃべるな(No Money No Talk)」といったスローガンがあしらわれている。さらにその絵柄には、FacebookやVineなどの動画で目にしてきたような「悪人の生活ぶり」が暗い雰囲気で描かれている。
ペッパピッグが登場する動画クリップは、すべてDouyinのサイトから削除され、関連する検索ワードを入力しても、画面には何の検索結果も出てこない状況になっている。グローバル・タイムズ(Global Times)によれば、Douyinの禁止コンテンツのリストには、裸体と異性の衣服の着用、銃器、狂信的宗教の説教が含まれているが、今ではそこにペッパピッグも加わっている。
これが、今後もっと幅広いペッパピッグ規制に繋がるのかどうか、また近く上海にオープンするペッパピッグ・ワールドにどんな影響を与えるのか、私たちには分からない。ただ、1万元の大金をはたいてペッパピッグのタトゥーを背中に彫った人には、少し同情したくなる。
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