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これまで高円寺で間借りスナックとして営業していたおみごとスナック 御美娘が2020年2月22日、吉祥寺駅から徒歩5分ほどの雑居ビル1階に実店舗をオープンした。
この辺りかなと雑居ビルをのぞくと、不思議な存在感を放つ紫の扉が目に入ってくる。扉を開けると、キャンドルアーティストでもある御美娘(オミコ)ママがにこやかに出迎えてくれた。一面ピンクに彩られたド派手な店内や、随所にある摩訶不思議なオブジェにまずは圧倒される。一瞬にして時空を超えたかのようだ。
「秘宝館や珍宝館のような場所が好き」「消えていく文化に魅力を感じる」という御美娘ママの世界観が炸裂している。「内装は基本的に自分たちでやったんです。頑張りました!」と、御美娘(オミコ)ママ。ミラーボールはドン キホーテで500円で購入したもの。店の内外の壁のペンキ塗りは、友人に手伝ってもらったという。ネオン式の看板は、閉店した焼鳥屋から譲り受けたものを作り変えた。当初、紫色で塗っていた外壁は、大家から「奇抜過ぎる」と苦情が入り、落ち着いた色に塗り直したという。
インパクトのある壁画は人気イラストレーターの吉岡里奈によるものだ。2019年11月に新宿、花園神社の酉(とり)の市で、開催された『見世物小屋・カッパ御殿』で吉岡が担当した広告イラストを見て一目惚れ。共通の友人を通じて依頼した。意外にも吉岡が壁画を手がけるのは、これが初めてだったという。
「男性は『ポルノの帝王 失神トルコ風呂』に出演していた頃の辰っちゃん(梅宮辰雄)、女性はピンクシネマに出てくるようなセクシー女優をリクエストしました」
富士山、桃、小槌(こづち)のモチーフも、御美娘ママのオーダーだ
チャージなしで、ドリンクは1杯500円、カラオケは1曲200円と明朗会計も同店の魅力。ドリンクのメニューもユニークで『珍トニック』『おばちゃん割』『金玉のアレ』『おピンクサワー』など、思わずにんまりしてしまう。開店間もない現在は、『祝シャン』(5,000円)、『殿方ドンペリ』(3万5,100円)も用意しているとのこと(そして、ドンペリが意外と出るらしい)。今後はつまみの提供も予定している。
カラオケは、点数が上がるとセクシー女優が脱ぎ、最後には全裸になる「アダルト採点」を採用。なんという、愛すべきばかばかしさ! 知らない人同士でも盛り上がれること間違いなし
スナックというと一見だと入りづらい印象があるが、同店では、酒好きの御美娘ママが明るく出迎えてくれるので安心して扉を開けてほしい。「Instagramを見たといっていらっしゃる方や、意外にも外観を見て入ってくる方もいます」。定期的にイベントも開催していくという。
スナック慣れしている人も、スナック初心者も肩肘張らずに楽しめる。「十畳のパワースポット」がキャッチフレーズのおちゃめなスナック、知っておいて損はない。
テキスト:長谷川あや