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「動物はごはんじゃない」と訴えるビーガン団体デモに、アンチベジタリアンが肉を持って反撃?

テキスト:
Hanako Suga
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食肉を口にしない「菜食主義」という思想が当たり前に定着しているヨーロッパ。卵や乳製品なども一切食さないビーガン、肉は食べないけど魚は食べる、というペスカトリアンなど、食に関してさまざまな思想を持った人々が存在する。

フィンランドやドイツのマクドナルドにはビーガンバーガーというメニューが存在するなど、もはやベジタリアン対応していないレストランの方が少ないほどだ。一方ベジタリアン認知度がまだまだ低い日本では、単なる偏食者として扱われたり、「ベジタリアン」というワードそのものに抵抗や違和感を感じる人も少なくない。そんな「肉を食さない」者たちと、「肉は食してなんぼ」という真逆の考えをもつ者たちの対立を裏付けるニュースがSNS上で話題になっている。

マクドナルドのビーガンバーガー 画像:McVegan™

NPO法人アニマルライツセンターが発表した、6月1日(土)に行われる『動物はごはんじゃないデモ行進は「March to Close Down All Slaughterhouses(全ての屠畜(とちく)場を閉鎖する行進)」をスローガンに、食のための動物たちの犠牲を減らそう、という考え方を訴えるデモだ。注目を呼んでいるのはこのデモに対してのカウンター行動『動物はおかずだデモ行進』である。すでにネット上では、アニマルライツセンターが使用しているTwitterのハッシュタグ 「#動物はごはんじゃない」を肉食の人たちが逆使用し、焼き肉やフライドチキンなどの写真を投稿して反撃。

アニマルライツセンター側の投稿にそういった差別的な言葉は見当たらないが、日本の歴史には、被差別部落出身の人たちが、こういった屠殺(とさつ)に関わる仕事を担っていた歴史的背景もある。日本における肉食文化の始まりは、鹿や野牛などを狩猟していた石器時代にさかのぼるが、もともと農耕民族であった我々の先祖たちは米や大豆、魚などを中心にした食文化を主にしていた。

肉消費量が魚肉を上回るようになったのは、外国食文化の普及と、外国産の食肉輸入が始まった高度成長期からだという。格安で利用できる焼き肉食べ放題や、海外産の安い牛肉がスーパーで手に入るのは、何処かで食肉の大量生産が行われているからで、そのプロセスや生産方法を見直す流れは全世界で始まっている。

食肉産業を完全廃止するのは、多種多様な料理を楽しむ日本では難しいだろう。しかし、外国人観光客が増える東京では、少しずつであるがビーガン向けのレストランも増えてきている。ベジタリアンならずとも、自分が食べるもののルーツを見直し、それに関わる命、食肉生産に携わる人々に目を向けてみるのは大切なことだ。

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