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2020年5月にスタートした、「ARCHI HATCH(アーキハッチ)」は、前川國男や照内創ら、有名建築家による空間を、世界中どこからでも体験できる新たなドキュメンテーションサービスだ。インティメイトな建築のデジタルアーカイブを目指すという。
建築倉庫ミュージアム館長を務めた経験を持つ、代表の徳永雄太は、新しい建築の記録と保存の形を模索する過程において、建築が持つダイナミズム、建築家の強い思いに触れ、図面や模型だけでは分からない建築の魅力について考えるようになったという。その思いを具現化し、建築をより身近に感じられるプラットフォームとして誕生したのがARCHI HATCHだ。
これまで、世界に点在する建築物を体験するには、その建物が建つ場所へ行くしかなかった。しかし、同サービスを使えば「360°シークエンス」をはじめ、さまざまな建築の記録を集約されているため、誰もがカジュアルに建築を楽しむことができる。将来的には、建築家の生の声や設計のプロセス、写真や模型なども公開していく予定だという。
多彩なコンテンツの一部を紹介すると、例えば、「ARCHI-BANK(アーキバンク)」は、建物を3Dモデルデータとしてまるごとアーカイブ化したもの。自らの意思で流れるように空間を移動でき、VR(バーチャルリアリティー)のように360度を見渡すことができる、ARCHI HATCHのメインコンテンツともいうべき存在だ。
では試しにと、早速、気になる建築物に入ってみると、建築に豊富な知識がなくても、「名建築を訪れてみる」的な気分でなかなか楽しい。空間を自由に巡りながら、気になるポイントがあればそこをクリックすることもできる。3Dデータには、コンセプトやポイント、空間構成、素材や部品、写真、工程、設計主旨などさまざまなデータがインストールでき、その部分についての詳細情報や図面、インスピレーション源などを引き出して閲覧することができるのだ。
そのほか、建築や展示の情報をシェアするオープンソースメディア「ARCHI-CLE(アーキクル)」、特殊なカメラで360度撮影し、ウェブサイト、スマートフォン、VRゴーグルで、ウォークスルー閲覧できるコンテンツを提供するサービス「ARCHI HATCH 3D-VRサービス」(有料)も提供する。
ついに建築がフィジカルを超える時代がやってきた。早速、気になる建築物の探索に出かけてみてはいかがだろう。
テキスト:長谷川あや
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