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新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年2月以降、日本の伝統芸能の一つである歌舞伎界でも劇場公演の中止や延期が相次いだ。歌舞伎座は8月1日(土曜)から再開を予定しているが、幕間無しの短時間上演や座席数の半減など感染対策をふまえた開幕となっている。そんななか、歌舞伎俳優の中村壱太郎企画による、業界の枠を超えた『ART歌舞伎』のオンライン配信が2020年7月12日(日)に開催を決定した。
各界からプロフェッショナルが集結
中村壱太郎が新たに基盤を作り上げた本作の特徴は「伝統芸能×デジタル配信技術×アート」の融合。注目クリエーターの演出と共に、伝統芸能を現代の表現に沿ってアップデートする試みだ。
演者を彩る各業界から、ヘアメイクは映画『ヘルタースケルター』を手がけた冨沢ノボル、スタイリングは人気アイドルのスタイリストとしても活躍する里山拓斗、ヘッドピースの製作は、アパレルブランドやクリエーターとのコラボレーションが注目の、花にまつわる創作を手掛けるエデンワークス(edenworks)が担当。全て本作のために作られている。
日本の伝統芸能を守り続ける歌舞伎界からも大物が集結。歌舞伎俳優の尾上右近、日本舞踊家の花柳源九郎、藤間涼太朗が出演。音楽は、中井智弥(箏、二十五絃箏)、浅野祥(津軽三味線)、藤舎推峰(笛)、山部泰嗣(太鼓)、友吉鶴心(琵琶)といった、国宝級の和楽器奏者たちが参加している。
逆境を跳ね返す、伝統芸能の枠を超えたコラボレーション
歌舞伎をはじめ、あらゆる舞台芸術の上演が苦しい状況に直面するなか、新たな方法を検討した中村壱太郎と尾上右近は以下のようにコメントしている。
「僕ら2人の生きがいである『踊り』、そして『魅せること』に特化した作品を創りたいという思いから、現代に生きる魅力的なアーティストの皆さま表現を身にまとい、今できる最大限の表現をここに詰め込みました。『ART歌舞伎』の字のごとく、美しくアートな世界を十分に味わっていただきたく思います」
伝統芸能の枠を超えるコラボレーションは、さまざまなカルチャーシーンへと裾野を広げている。逆境の時代をはね返す新時代の歌舞伎を、まずはオンラインで楽しんでみてはいかがだろうか。
「中村壱太郎×尾上右近 ART歌舞伎」
配信公演日程
配信日時:2020年7月12日(日)19時30分から約80間を予定
チケット金額:3,000円(ローチケ powered by Zaiko)(e+「Streaming+」)
アーカイブ配信日程
配信期間:2020年7月13日(月)19時30分〜7月19日(日)23時00分
テキスト:西山綾加
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