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2020年2月末、世界初となる自社工房を併設したクラフトコーラの専門店伊良コーラ(いよしコーラ)が開店した。場所は新宿区の下落合駅から徒歩2分ほど。神田川が流れる遊歩道沿いにある小さな店舗だ。店名の「伊良」とは、店主小林の祖父であり、かつてこの場所で漢方薬局を営んでいた伊東良太郎の屋号からとったものだそう。
クラフトコーラ専門店の中でも、工房を併設した店舗は他に類を見ない。店主の小林は、もともと大のコーラ好きが高じたことからクラフトコーラを作り始めたという。以前から青山のファーマーズマーケット@UNUなどのイベントに移動販売車でクラフトコーラ店を出店し、都内各地で好評を得ていた。かわいらしい車体のカワセミ号を見かけたことがある人も多いのではないだろうか。
店内は薬局のようなシンプルかつ清潔な雰囲気である。伊良コーラの味わいをイメージしたという、ホログラムのように変わる色を持つ壁や、椅子の色、半透明の仕切りの色にもこだわりが見える。右手に併設された工房では、ガラス窓から制作過程をのぞくこともできる。
メニューは定番商品の『DREAMY FLAVOR』(500円)、ユズなど和の素材を使用した『THE JAPAN EDITION』(550円)、『DREAMY FLAVOR』を牛乳で割った『MILK COLA』(500円)の3種類。ストローでそっとかき混ぜながら口に含むと、さまざまな素材の風味と甘味、一口ごとに変わる味わいが楽しめる。『MILK COLA』は、まるでヨーグルトのような酸味があり、飲み口は爽やか。
また、土産にはクラフトコーラシロップ『魔法のシロップ』も販売している。Sサイズの小瓶からギフトボックス入りのものまであり、炭酸水で4倍に希釈して、自宅でもコーラが楽しめる商品だ。
今回訪れた際に、開発中の『コーラフォンデュ』の試作をいただいた。こちらは揚げた調理用バナナにコーラシロップを絡ませた一品。イモのように素朴な食感のバナナにスパイシーなシロップがよく合い、軽食にもおつまみにもおすすめだ。
伊良コーラはつい先日、つけ麺で有名な麺屋武蔵とのコラボレーション企画『クラフト香良(コーラ)つけ麺』(2020年4月5日まで渋谷 麺屋武蔵 武骨外伝にて限定販売)を発表した。そのユニークなアイデアには驚かされたが、今後はフード以外にもキーホルダーなどグッズをはじめ、ジュエリー作家とコーラをテーマにしたコラボレーション企画、店頭でのアート展示などさまざまな展開を企画中だという。
春から初夏にかけて、爽やかな炭酸飲料を飲みたくなる季節がやって来る。伊良コーラを片手に、暖かな神田川を散策してみてはいかがだろうか。