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タピオカミルクティーを筆頭に、台湾発の文化が生活のなかにありふれるようになった昨今。魯肉飯(ルーローファン)やマンゴーかき氷、豆花といったグルメは東京のトレンドフードとなり、某コンビニチェーンでは台湾のドリンクやフードを展開するフェアがこの夏も開催された。音楽やアート、ファッションにおいても、イベントやメディアへの露出が増え、日本と台湾のクリエーター間の交流も活発化している。
昨年、上野恩賜公園で初開催された『Taiwan Plus』は、台湾の新しい音楽、デザイン、グルメ、ライフスタイルを見て、味わって、知ることができるフェスティバルだ。2020年までに全3回、毎年テーマをアップデートしながら開催される予定で、第2回となる今年は9月28日(土)、29日(日)の2日間にわたって開催される。
開催に先立ち、8月19日には台北駐日経済文化代表処台湾文化センターにて『Taiwan Plus 2019 台湾新感覚』の記者発表会が行われた。登壇したのは、主催である中華文化総会の副秘書長 張鐵志(チャン・ティージー)と、台湾の最新の音楽を日本に紹介してきたイベント『Taiwan Beats』を手がける相知音楽のマーケティング部長 江季剛(コウ・キコウ)、そして『Taiwan Plus』でマーケットエリアのディレクションを手がける株式会社朝寝坊屋代表の小路輔の3人だ。
会の冒頭では、張が今年の『Taiwan Plus』のコンセプトを説明した。初開催だった2018年は、「台湾ブランドの識別性を打ち立つ」をテーマに「台湾らしい自分たちの言葉を持って、日本のカルチャーシーンやクリエーティブ産業と接続する」ことを目的としたが、今年は第2ステージ。「交流の強化」がメインテーマだ。
「交流の強化」。つまり今年は単なる台湾カルチャーのショーケースに終始することなく、日本と台湾、両地のクリエーターたちの共同制作を行ったり、紹介するカルチャーをより台湾現地のトレンド感覚に接近したものにするのだという。
マーケットで50の台湾ローカルブランドをキュレーションする小路は、日本のライフスタイル誌が近年こぞって組んできた台湾特集が、初心者向けではなく「ローカル目線」な内容に進んでいることに着目し、今年のキュレーションの背景を語った。
「今や、台湾人が行きたいところが、日本人の行きたいところなのです。今年の『Taiwan Plus』では、『3回目の台湾』を訪れる人が行くようなブランドを選んでいる。1回目でも30回目でもない、3回目に来た人が求めるようなちょっとディープで通なブランドです。『Taiwan PLus』は、ほかの台湾カルチャーイベントのように出店を「ファッション」や「魯肉飯」といった具合にカテゴリーで分けず、全てブランド名・店名で出している。ここに最大の特徴があります」
また、今年はマーケットのみならず、両地のショップやカフェ同士がコラボレーションを行う「クロスオーバー」も展開する。例えば、台湾のジャム工房、好食光KEYA JAMは『Love Tokyo Awards 2017』でベストカフェに選ばれた東向島珈琲店でコラボメニューを展開するなど、東京各地の店で台湾のトレンドフードやアイテムが登場する。
また、『Taiwan Plus』の目玉でもある音楽をディレクションする江も、ライブ出演するアーティストたちの紹介とともに、今年のラインナップのテーマを語った。
「去年は原住民の音楽など台湾のルーツ音楽の要素が多かったが、今年の出演者は同時代的なユースカルチャーにいるアーティストが中心。『Taiwan Beats 台式レコードショップ』と題して、多種多様なジャンルの音楽をレコードショップに見立てて紹介します」
『Taiwan Beats 台式レコードショップ』に出演する9m88(ジョウエムバーバー)は、気鋭の実力派シンガー。過去に竹内まりやの『Plastic Love』をカバーしたことでも知られる
シャムキャッツ、Taiko Super Kicksなど日本のバンドとも交流があるDSPS
2005年の『フジロック』にも出演し、「台湾のベンフォールズ・ファイブ」とも呼ばれる重鎮、Tizzy Bac
昨年は5万5000人が来場した『Taiwan Plus』。今年はさらに規模を拡大し、より最新でよりローカルなカルチャーを体感できる内容となる。台湾ブームに拍車をかけるであろうこの2日間のフェスティバルに、ぜひ足を運んでほしい。