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ステイホームを始めた頃、キッチンディスコから世界一流のパフォーマンスまで、自宅のソファに座りながらにストリーミングでエンターテインメントを楽しめるということに斬新さを感じていただろう。しかし、その珍しさにもあっという間に慣れてしまい、イギリスでの劇場や音楽ヴェニューの閉鎖は実に5カ月間も続いてしまった。
その状況がようやく好転しつつある。政府は2020年8月14日、観客のソーシャルディスタンスを確保した上での、屋内における演劇や音楽パフォーマンス公演を行うことを15日から認めると表明。
イギリス首相のボリス・ジョンソンは正式発表の前、「本日、多くの人の職場復帰につながること、人々が切望していたことがまたもう一つ取り戻せることを発表できる」と述べた。
同じタイミングで、屋内でのパフォーマンス公演に加え、客との距離が近いスパやエステの施術、30人までの結婚式、アイススケートリンク、ボーリング、カジノなどの再開も許可。また、スポーツファンが近々応援するチームのために集まれるよう、スポーツの新しい観戦形式のテストを行うことも発表された。
イギリス政府で文化政策を担当するオリバー・ドウデンは、「国中がウイルスをコントロールするために懸命に努力しているから、さまざまな活動の再開へ向けた慎重な進歩が可能になる。その努力なしに、屋内でのパフォーマンス公演やスポーツイベントで観客を迎えたり、安全なレジャービジネスをさらに活性化していくことはできない」と語った。
2週間前、8月1日に予定されていた劇場やそのほかのレジャー施設の再開にブレーキがかかったため、今回もまたそのようなことが起こるかもしれないと懸念された。しかし、音楽ヴェニューまで追加されて再開が実現。一方、ナイトクラブやディスコなどを含む一部の業態の営業再開は禁止されたまま。クラバーに良いニュースが届くのは先になりそうだ。
新たな措置の緩和に伴い、規則を遵守しない者に対する罰則が強化される。公共の場での求められているマスク着用に違反した場合は最大3,200ポンド(約44万円)、規則で決められた上限である30人以上の集会を開催した主催者は1万ポンド(約139万円)の罰金を科せられる可能性がある。
7月、クラファム・グランドで開催された試験的なコンサートとパフォーマンスでは、観客動員数が大幅に減らされ、ロンドン・パレイディアムでの行われたテスト公演について、劇場オーナーであるアンドリュー・ロイド・ウェバーが 「かなり悲しい光景」 と評していた。モッシュピットがもうすぐできると期待するのは、まだ早いだろう。
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