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メトロポリタン美術館、屋上庭園の新展示がスタート

メキシコの作家によるコミッションワーク、モチーフは国境の「壁」

Shaye Weaver
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Shaye Weaver
Editor, Time Out New York
Met Rooftop
Installation view of Héctor Zamora (b. 1974, Mexico), The Roof Garden Commission: Héctor Zamora, Lattice Detour, 2020. Courtesy of the Artist. Image credit: The Metropolitan Museum of Art, Photo by Anna-Marie Kellen
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2020年8月29日からメトロポリタン美術館の屋上庭園で、リスボンを拠点に活動するメキシコ人アーティストであるヘクター・ザモラのコミッション作品『Lattice Detour』が公開されている。

この作品の壁は、メキシコとラテンアメリカの職人が積み上げたテラコッタレンガで作られている。それぞれのれんがは中央部がのぞけるように作られており、どちらか片側に立っても、ニューヨークの景色を見ることができる。太陽が当たると、地面に格子状の影模様になるのが美しい。

Met Rooftop
Installation view of Héctor Zamora (b. 1974, Mexico), The Roof Garden Commission: Héctor Zamora, Lattice Detour, 2020. Courtesy of the Artist. Image credit: The Metropolitan Museum of Art, Photo by Anna-Marie Kellen

コンセプトは明確だ。表現しているのは、トランプ政権がメキシコとの国境に沿って建設すると約束した悪名高い壁。移民を巡る社会の分裂と同時に、我々は皆とつながっていることも示している。

8月26日に開催された内覧会でザモラは、「屋上庭園に大きな壁を設置するのはシンプルなジェスチャーです。今では私たちの文化の一部となっているものでもあります。壁の層がメキシコ人やラテンアメリカ人によって作られたのは偶然ではありません。この特定の時代に非常に象徴的で、重要なことなのです」と語った。

メトロポリタン美術館は、29日から新型コロナの大流行後の営業を再開。セントラルパークが一望でき、アートとともにニューヨークの夕焼けが楽しめるこの屋上庭園も(ソーシャルディスタンスを保ちながら)、再び多くのニューヨーカーでにぎわうだろう。

原文はこちら

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