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世界がコロナ収束後の生活を少しずつ取り戻すことを模索している。その中で、「多くのことがこの数カ月で変わる。何が普通なのかも変わるだろう」という考え方が支配的だ。
特に、現在の状況で打撃を受けている産業の一つである航空機関連産業の各社は、これまでの計画を見直す必要がある。人々がソーシャルディスタンスを取ることを求められる社会では、空の旅に確実に厳しい視線が注がれる。本質的に、航空機は人を長時間密集させて運ぶように設計されているからだ。
ここで、ではどうすれば安全な空の旅が可能になるのか?という疑問が浮かぶ。
航空機の座席や内装の設計、製造を専門とするイタリアのアビオンインテリアズ社は、ポストコロナ時代の旅行を想定した二つの新たな提案を通じて、問題解決のための口火を切ってくれた。同社の目標は、旅客収容能力を失うことなく、ソーシャルディスタンスを保つことができる機内レイアウトを作ることだ。それは、そう単純な仕事ではない。
一つ目の提案では、中央の座席が後方に回転し、すべての乗客がプラスチックのシールドで囲まれることを想定している。このプロトタイプの名前が秀逸だ。表と裏に顔を持つローマの神にちなんで ヤヌス(Janus)と命名された。もちろんこのプラスチックは、通路を歩く人を含む近くの乗客への呼吸によりウイルスが広がるのを防ぐことを目的としている。
二つ目の提案では、取り外し可能なシールドをフィーチャーした。これを各座席に取り付けることで、乗客同士が守られる。 グラセイフ(Glassafe)と名付けられたこのシールドは、理論的には各航空機への導入が容易なため、各航空会社は現在の機体を維持したまま機内でのウイルス対策を強化できる。このシールドはカスタマイズも可能だ。肩の部分を切り抜いたり、使う材料を変えて透明度を変えたりするなど、各航空会社の自由度は高くなる。
もちろん、これらは単なる提案だ。コストはどれくらいか、後ろの座席の人はどれくらい安全か、食事はどのように提供するのか、今の緊急時の対策は適応されるのか。こういった質問や懸念にまだまだ対処する必要がある。
でも、我々は興奮し、感謝している。この厳しい時代に、世界を少しでも良くしようと努力している人々の壮大な創造性を目にできていることに。
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