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日常生活がここまで違って見えたことはなかった。このことは近い未来、世界をどう移動するべきかについても影響を与えている。今のところ、飛行機は離陸できず、ホテルは閉鎖され、国境が閉ざされているエリアも多い。しかし、いくつかの場所での規制が徐々に緩和されていることから、今後の旅行がどのようになるのかを考える機会も増えている。その中で、かつては華やかだったホテルの朝食ビュッフェが、「ポストコロナの時代には不向き」という考えが聞こえてきた。
残念ながら、世界の豪華ホテルで楽しまれていたビュッフェ形式の朝のごちそうは、過去のものになりそうだ。なぜなら、効果的に社会的距離を保つのに都合が悪く、ウイルスなどの菌が広まるには絶好の条件がそろっているからだ。NHKのこの映像がそれを証明している。
残っているスクランブルエッグを目当てに動き回る必要は、もうなさそうだ。数種類のチーズ、なじみのないフルーツ、朝食にしては大きいケーキも楽しめなくなる。パンがトーストされていく様子を見ることもできなくなるのだ。
現在、世界のホテルの多くは閉まっている。営業再開しても、食べ放題の朝食ビュッフェは含まれないだろう。ホテル業界をメインにしたコンサルティングを行うHVSのロンドン支社の会長であるラッセル・ケットは、『タイムズ』紙に対して「ホテル経営者は、宿泊客がアクセスする全ての領域を見逃さずに、スタッフの安全と保護を考慮しながら、業務のほとんどを見直す必要があるだろう。ビュッフェ式の朝食は、少なくとも当分の間は過去のものになりそうだ」と語った。
その代わりに、ホテルが再開された際には、ルームサービスの朝食、屋外のテーブルで食べるオーダーメイドの料理には期待が持てる。旅行会社のTUIは『ガーディアン』紙に対して「ビュッフェなどのセルフサービスは最小限に抑えられ、可能な限り、客にはマスクを着用したスタッフが食べ物や飲み物をサーブすることになる」との考えを示した。また、インターコンチネンタル ホテルグループのCEOであるキース・バーは、傘下のホテルで「朝食を全て、アラカルトと事前にパッケージしたものに切り替えた」と伝えている。
パッケージ済みの朝食とは......。豪華なグラノーラの周りをうろつくことが本当にできなくなりそうだ。
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