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2020年8月13日、エピックゲームズ(Epic Games)社の人気バトルロイヤルゲーム『フォートナイト』が、スマートフォンのアプリ内課金システムなどが独占に当たるとして、アメリカのAppleとGoogleを提訴した。
エピックが、アップルやグーグルの課金システムを回避する独自の「Epic ディレクトペイメント」を導入したところ、両社は規約違反に当たるとしてアプリを削除。この「Epic ディレクトペイメント」を利用するとゲーム内アイテムをアプリストアの外で購入でき、App StoreとGoogle Play Storeの30%の手数料を回避できるものとなっている。
ところで、注目したいのはエピックゲームスが制作した抗議動画だ。アップルが1984年に放映した初代CMの完全なるパロディーで、今や支配者となってしまったアップルを皮肉る内容なのである。
動画の最後には「2020年を『1984』にしないための闘いに参加してください」と表示される。この「1984」とは、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』を指し、同小説をモチーフに、リドリー・スコットが撮影したアップルの伝説的な初代CMは、当時のコンピューター業界で支配的立場にあったIBMに対して反骨的なメッセージを込めたものであった。
1984年に放映されたアップルのCM
今回公開されたAppleに対しての訴状でもこの点について触れており、「今やAppleこそが支配的立場にあり、悪質で反競争的な関係を開発者に強いている独裁者ではないか」と訴えている。
2019年には、音楽ストリーミングサービスSpotifyが欧州連合(EU)に、「Appleのやり方はフェアじゃない」と訴えており、そのほかの企業も常々から「30%の手数料は高い」とアップルに伝えていた。裁判の結果によれば、ほかのアプリにも大きな動きが出てくることとなりそうだ。今後の展開に注目して行きたい。
なお、エピックはAndroidユーザーに向けて、自社サイトからダウンロードするよう呼び掛けている。
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