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観光客の受け入れ再開に踏み切るなど、規制緩和が進むスペイン。しかし映画館やコンサートホールなど、閉鎖された空間への入場制限は継続している。長期にわたる閉鎖を経て、観光地としても有名なバルセロナのリセウ大劇場も6月23日から営業を再開した。3カ月ぶりのコンサートは残念ながら無観客で行われることになったが、歴史あるオペラ劇場には人間の代わりに「植物」が招致されたという。
この日、赤いベルベットの客席は観客の代わりに、2292本の植物で埋め尽くされた。弦楽四重奏団によるジャコモ・プッチーニの『クリサンテミ(菊花)』が奏でられ、演奏終了後は植物の葉っぱが風になびきながら心地よい音を立てるなど、拍手に変わる演出も。このコンサートは、リセウ劇場とマックス・エストレラ・ギャラリーが企画し、音楽と視覚芸術の対話を深めることを目的に開催された。
キュレーションを担当したのは、芸術評論家、作家として知られるブランカ・デ・ラ・トーレ。自然と芸術との関係性を検証することを問いかけた。
コンサートの様子はリセウ大劇場の公式サイトで生配信され、視聴者だけでなく自宅にある植物も音楽を浴びることができたという。また、2292本の「観客たち」は、人々の命を救うため最前線で活躍してきた医療従事者へ贈呈されることになっている。
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