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春先に世界がロックダウンモードに入る前から、世界で最も有名なレストランのシェフたちが、自分たちには限りがあると考えることは珍しいことではなかった。しかし、ニューヨークのトップクラスの店は、この数カ月間の危機をきっかけとして「高級レストラン」の観念を緩めるペースを速めているようだ。
アッパーイーストサイドに、リヨン出身の有名シェフの店、レストラン・ダニエルがある。ここは彼の旗艦店で、高級フランス料理を供している。2020年7月8日、この店のテラスにダニエル・ブールー・キッチン・オン・ザ・テラスがオープンした。文字通り、歩道で高級料理が味わえる店だ。
この店は、客がミシュランの星付きレストランへ期待するのとは違うスタイルで営業している。予約はその日の14時からのみ受け付けで、ウォークイン席もある。メニューはアラカルトだけ、ドレスコードはない。ブールーはこの店を「ファインカジュアル」と位置づけ、扱いにくいテイスティングメニューを止めた。おそらく、客もずっと望んでいたものだろう。
ニューヨークにはミシュランの最高栄誉である星三つを獲得したレストランが5軒あり、今のところどこも屋外席での食事は提供してない。イレブン・マジソン・パークは早くから新型コロナウイルス関連の現場で働いている人たちの食事を作るためのスープキッチンになった。マサとシェフズ・テーブル・アット・ブルックリン・フェアは高価なデリバリーサービスを提供。エリック・リパートのル・ベルナルディンとトーマス・ケッラーのパー・セは、営業停止したまま。二つ星レストランでも、屋外席を用意しているの2軒のみ。アテラ、そして、ブールーの店だ。
ダニエル・ブールー・キッチン・オン・ザ・テラスの席は、ソーシャルディスタンスを確保し、レストラン・ダニエルの前の道、65thストリート沿いに並ぶ。ほとんどのテーブルは天蓋(てんがい)付きで、合計35席ある。メニューは、かんきつ風味を加えてしめたヒラメ、『フレンチー・バーガー』など(これらのメニューはデリバリーでも提供)がある。営業時間は17時から21時。
ブールーが屋外席を始めた8日は、ちょうどニューヨークの経済活動再開の第3段階に入った日だったが、市内の五つの区の飲食店における屋内席の利用再開は、期限なしで延期が続いている。
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