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大人向け塗り絵の黄金時代が到来したと言えるかもしれない。今、人々には色鉛筆やクレヨンを走らせて、楽しいことを考える時間が必要だ。たとえあなたに絵を書くセンスがなくても、線の内側にただ色を塗るということ自体に大きな意味がある。一つのタスクに集中することができるからだ。集中している間は、巣ごもり時間をどう実りあるものにするべきか、と心配していたことすらも忘れることができるだろう。
ニューヨークの著名アーティストたちが、絵を描くスキルと芸術的な才能を生かして、デジタル塗り絵を公開している。どの作品も自宅でダウンロードして印刷できるようになっているので、リラックスしながら生活に彩りを添えよう。
エミー賞受賞アニメーター、マイク・ペリー
アメリカのコメディチャンネル、コメディー・セントラルで放送中のドラマ、ブロード・シティ(Broad City)のファンなら、マイク・ペリーのサイケデリックな作品を知っているはずだ。初心者のために説明すると、彼の生き生きとしたアニメーションは、各エピソードの冒頭パートで使われている。
ペリーは、この番組にインスパイアされた手書きの塗り絵本もリリースした。ここ数年は、ニューヨークからロサンゼルスまで数々のギャラリーでの展示、壁画へのフューチャーなどブロード・シティを飛び越えた活動でも注目されている。
ブルックリンを拠点とするマイク自身、現在は新型コロナウイルスによる隔離生活中だ。そんななか、彼は我々が塗り絵を楽しめるよう、描き下ろしの作品を提供してくれた。70ページもあるこの塗り絵本は、彼自身の生活からインスピレーションを受けたものだという。作品のダウンロードはこちらから。
ペリーはタイムアウトニューヨークにこう語った。「ある人がInstagramで、『マイク、君のブロード・シティーの塗り絵を、今塗り終えてしまったんだ。ほかに塗り絵できるものはあるかい?』と言ってきたんだ。答えは、イエスだった。ぼくは自分の作品をきちんと保存していて、15年間描いてきた白黒の作品もあった。それを、PDFファイルにしたんだ。人々は何かすることを探していて、自分には作品があると感じたよ」
さらにペリーは、塗り絵のBGMにぴったりなプレイリストを、Spotifyで公開している。
ニューヨークのルイーズ・ローラー(写真家)とジョン・ブラー(イラストレーター)
ニューヨークの写真家、ルイーズ・ローラーは美術館や収蔵庫、アートコレクターの家などに飾られた芸術作品の展示風景を収めた写真作品を撮ることで知られる。彼女の作品は、アートがモノや装飾品として「どのように使われているか」を写真で示すことで、アートそのものの存在を分かりやすく表している。数年前からは、絵本イラストレーターであるジョン・ブラーと共に、自身の写真を白黒でトレースした作品も発表。現在、MoMAのホームページにこれらのトレース作品を塗り絵として楽しめるPDFファイルがアップされている。大人はもちろん、子どもも楽しめるだろう。
MoMAは、このルイーズ・ローラーの塗り絵について、「この作品は、アートが美術館やギャラリーといった座組を超えて鑑賞する側に届くということや、時には楽しみをもたらしながら、個人の創造的な変革を引き起こすこともできる。そういったアーティストの興味がきっかけになっているんです。ぜひ、あなたの塗り絵に#DrawingwithMoMAのハッシュタグを付けて、ソーシャルメディアでシェアしてください。いくつかをMoMAのアカウントにも紹介します」とコメントした。
作品のダウンロードはこちらから。
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