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ロンドンに住む12歳のジェンク・オズ(Jenk Oz)は、どのようにしてイギリス最年少のCEOになったのであろう。市場の穴に着目した彼が設立したウェブサイト「iCoolKid」は、子ども向けにおすすめスポットなどを発信している。タイムアウトが話を聞いた。
※2017年のインタビューです
「僕のような一人っ子は、大人と多くの時間を過ごすことに慣れています。心地良く大人と話すことができ、少しばかり大人のような振る舞いもします。なので、会社を立ち上げ、僕よりかなり年上の人たちを雇ったときも、それほど変な感じはしませんでした。僕は12歳ですが、ロンドンを拠点にウェブサイト『iCoolKid』を運営しています。今はイギリスで最年少のCEOです。
これは、別に計画していたわけではありませんでした。最初にあったのはアイディアだけです。最初は母と一緒に、学校の友だちに向けて、週末にやるべき楽しいことをまとめたニュースレターをメールで送っていました。それがビジネスに変わる可能性など考えもしませんでしたが、僕はニュースレターの配信を続け、ある日、全校生徒にその取り組みを発表することになりました。僕の最初の大きなタスクは、300人の子どもと先生に説得力のある話をすることでした。彼らは強く応援してくれました。そうして最初のアイディアが『iCoolKid』になったのです。ウェブサイトでは、DJレッスンから卓球トーナメントまで、8~15歳の子どもが訪れたり、見たり、購入したり、参加したりできるクールなことを伝えています。
ウェブサイトには4000件のヒット数がある日もあり、5万5000人のSNSフォロワーを持っています。現在、会社には7人のスタッフがいます。僕たちは、確かにタイムアウトの存在に影響を受けました。ですが僕の年代向けの情報は、タイムアウトにはあまりありません。そういう情報があってもいいと思いませんか?Z世代(1990年代後半以降に生まれた世代)も、ほかの世代と同様に、外に出掛けて楽しい時間を過ごしたいと思っています。
ロンドンで育った僕のお気に入りの思い出は、ウエストエンドの大劇場で観た『ウィケッド』と『リトルダンサー』、『マチルダ』です。子役スターが出演する作品に影響を受け、僕自身も演劇を始めるようになりました。4、5歳のときから音楽とダンス、演劇をしており、映画『100 Streets』では脇役としても出演しました。僕のウェブサイトで彼にインタビューできたことは、これまでの経験で最も素晴らしいことかもしれません。
母は銀行で働き、父は整形外科医をしています。2人ともまったくクリエイティブではなく、両親とも認めています。しかし両親のサポートは、まさに天文学的な大きさです。金銭的な面というばかりでありません。母はこのビジネスの一翼を担っていて、彼女のスケジューリングは極めて重要です。僕がそれを変えることはできません。
学校があって僕が会社に行けないときは、授業前や昼食中にオフィスに電話を入れます。学校のほかの子は、まさに『iCoolKid』のターゲット層なので、彼らが話している内容を伝えたいのです。学校は、僕が仕事に時間を割くことに対してとても寛容ですが、そのようなことをやっている子はあまりいません。
僕は自由な時間があれば、ポップカルチャーイベント『コミコン』などあらゆる催しに行き、武術のレッスンやグラフィティ・アートのクラブに参加したりしています。学校の課題は別ですが、ビジネスに関しては全てが100パーセントでないといけないので、自分の好きなことを仕事にフィードバックできるのはいいですよね。そうは言っても、僕自身もいつの日か、『子ども』より年上になってしまいます。そのときが、誰か新しい人にバトンを渡すタイミングでしょう」