仕事帰りにふらっと駅前公園に寄って、クラシックのコンサートを聴く……。そんなぜいたくな体験ができる新たな取り組みが、池袋で始まった。
12月18日、池袋西口に新たに誕生した野外劇場のグローバルリングにて、夜の池袋を楽しむクラシックコンサート『Tokyo Music Evening “Yūbe”』がスタートした。同プログラムは、国際アート・カルチャー都市として発展が進む池袋で、観劇鑑賞後もナイトライフを楽しむための野外イベントだ。
コンサートの前に行われたセレモニーでは、主催者である豊島区長の高野之夫らが登壇。東京都知事の小池百合子も「クラシックコンサートの定期的な開催を通じて、東京の新たな夜の楽しみ方を提供する素晴らしい取り組みがスタートすることを大変うれしく思う」とコメントを寄せた。
この日は指揮者に「炎のマエストロ」の異名を持つコバケンこと小林研一郎と、豊島区管弦楽団常任指揮者の和田一樹を招き、生演奏による華々しいオープニングコンサートが開催された。
会場は立ち見客があふれるほどの盛況ぶり。コンサートは、小林の指揮によるヴェルディ作曲の歌劇『アイーダ』より『凱旋行進曲』から始まり、続いて和田の指揮によるシベリウス作曲の交響詩『フィンランディア』と、アンコールとしてヨハン・シュトラウス1世作曲の『ラデツキー行進曲』が演奏された。終演をにぎやかに飾った『ラデツキー行進曲』では、和田に手を引かれて高野区長が指揮台に立つ一幕もあった。
『Tokyo Music Evening “Yūbe”』は、今後定期的に開催される予定。2020年1月11日(土)〜31日(金)の期間は、フィンランドの指揮者エサ=ペッカ・サロネンとフィルハーモニア管弦楽団が演奏するマーラー作曲の『交響曲第3番』の終楽章の映像と音楽が、毎日19時からと20時30分からの2回にわたって放映される。池袋の夜の新しい楽しみ方が、また一つ生まれそうだ。