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東京スカイツリータウン内のすみだ水族館が、「隔てない」をテーマに2020年7月16日、大規模リニューアルを果たした。ゲストと生物、スタッフの一体感をこれまで以上に強めていく。
大規模リニューアルの目玉は、これまでの約2倍に拡大された「クラゲエリア」に登場した、日本最大級(※1)となる長径7メートルの水盤型クラゲ水槽「ビッグシャーレ」だ。アクリルを通さず、直接真上からのぞくことで、クラゲの質感や繊細な身体の器官まで観察することができる。
この水槽の中でクラゲが均一に広がるように、水流を調節しているという。LED照明の光をその半透明の体に移し、ふわふわと漂うミズクラゲたちは幻想的だ。いかにクラゲが美しく見えるかを吟味し、演出を施しているのだとか。水槽の外周部分の一角は、水面の上にせり出したガラスデッキも設け、足の下でクラゲが泳いでいるという希少な体験ができる。
また、三つの水槽を組み合わせた「ドラム型水槽」も新設。同じ水槽では飼育できない3種のクラゲが、同じ水槽で漂っているような工夫をした展示を行う。
新エリア誕生を記念し、クラゲをイメージした飲食メニューとオリジナルグッズも発売となった。『勝手にクラゲシェイク』(550円)は、ソフトクリームの上に牛乳と真っ白なホイップクリーム、ミント味のホイップクリーム、そして食用クラゲを乗せて提供。混ぜると冷たいシェイクが完成する。いずれもスタッフからアイデアを公募し、商品化が実現したものだ。
オリジナルグッズでは、飼育スタッフが描いたイラストをプリントした『すみだ水族館 プリントせんべい』(715円)や、飼育スタッフ監修のカプセル型フィギュア『カプリウムコレクション クラゲ すみだ水族館限定』(5種、各500円)などが発売に。
飼育作業を公開するエリア「アクアベース」も新設。生物の体調などにあわせて餌を準備する「キッチン」と、飼育スタッフが実際に飼育と繁殖作業を行うラボを有し、普段見ることができないバックヤードの様子を紹介する。すみだ水族館は、クラゲの繁殖にも積極的で、現在、クラゲエリアで展示されている14種類約700匹のクラゲたちは、すべて同水族館生まれの生え抜きだ。
なお、アクアベースの上部には大型リングサイネージも登場。「今日いちばんゴハンを食べたペンギンは『ちょうちん』でした」など館内の生物に関するリアルタイムな情報や、館内情報を発信していく。
2012年のオープン以来の大規模リニューアルを果たしたすみだ水族館で、より間近でいきものの息遣いを感じてみたい。
(※1)長径7メートルにおよぶ水盤型水槽によるクラゲ展示は日本最大級。オリックス不動産株式会社調べ。
テキスト:長谷川あや
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