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コロナウイルスで多くのイベントが損害を被る中、クラウドファンディングの動きが活発だ。ここでは、パンデミック以前から始まっているクラウドファンディングにも目を向けたい。それらもまた、パンデミック終息後に以前と変わらない文化的な営為を残してくれるという意味でとても大切なのだから。
今回の『京都・老舗珈琲屋の厨房が、現代アートに。tower(KITCHEN) 計画』は、そういう意味で重要な活動だ。京都市の京都芸術センター内にある前田珈琲明倫店が、2020年で開店20周年を迎えることを記念してアーティストの金氏徹平、建築家の家成俊勝らと、店内の厨房をキッチンを金氏のtowerシリーズの一つとして『tower(KITCHEN)』として改装することを目的にした支援だ。2月17日から始まっていて、目標金額は800万円。
金氏のtowerシリーズは、箱状の塔のような構造物に多くの穴があき、そこからさまざまなものが出入りしている様子を描いたドローイングが始まりだ。それがアニメーションや建築などになり、2018年の六本木アートナイトでは演劇として上演もされている。今回はそのシリーズの一つとして、同店のキッチン内に横長の箱で『tower(KITCHEN)』の設置を構想している。
京都芸術センターの前身は小学校であり、そのような事情から前田珈琲明倫店も地元の人々に愛されてきた。この『tower(KITCHEN)』をきっかけに、アーティストの発表の場やワークショップなども視野に入れ、同店を京都芸術センターにやってくるアーティストと地元の人々の接点を作る場所にしていくことが目標となっている。
同店は『tower(KITCHEN)』をクラウドファンディング参加者と一緒に完成させた作品にしたいという思いからもこの資金調達の方法を選んだという。4月24日(金)23時までで、主なリターンは、『tower(KITCHEN)』 にちなんだステンレスミニボトルや限定特製ケーキ、金氏徹平オリジナル作品など。金額は1,000円から始められる。
興味のある向きは、ぜひ支援してほしい。詳細は公式サイトを参照。
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