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ここ数カ月、車にガソリンを入れることをあまり考えていない人もいるだろう。もしかしたら、10年後の社会では、セフルスタンドなどでの給油は必要なくなってしまうかもしれない。
アメリカ、カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサムは、2020年9月23日、2035年までに同州で販売される乗用車とトラックのすべてを、排ガスを出さない車にすることを義務づける州知事命令を発表した。また、「可能であれば」中大型車(大型ピックアップトラックやセミトレーラー)は2045年まで、小型トラック(短距離港湾トラック)は2035年までに、ゼロエミッションにするべきとの方針も示されている。
誤解がないようにいうと、この命令はすでに所有されているガソリン車や、中古市場での売買を妨げるものではない。ガソリンエンジンの愛好家はひとまず安堵(あんど)できるといえる。
この命令に合わせて発表された声明によると、カリフォルニア州の温室効果ガス排出量の半分以上、スモッグの原因となる汚染の80%、有害ディーゼル排出量の95%が、輸送に起因。ロサンゼルスは全米でも空気が汚い場所と指摘されている。
これらの排出を減らすのは容易ではないため、現在カリフォルニア州大気資源局(CARB)は、2035年の目標を実現させるための規制策定を進めている。恐らく、カリフォルニア州の人々が州外からガソリン車を出来るだけ買わないようにするための方法も考えているはずだ。
この命令には、フラッキングの許可発行を2024年までに廃止すること、公共交通の充実と歩道の安全に重点を置くこと、石油関連雇用をクリーンエネルギー関連雇用に移行させる目標を設定すること、納税者が油田閉鎖のコストを負担しないようにすることも含まれている。
もし全てが計画通りに進めば、温室効果ガス排出量は35%削減され、州全体の自動車から排出される窒素酸化物は80%改善されると試算。
ニューサムは声明で「これは気候変動と闘うために州が取ることができる最も影響力のある措置です。私たちは何十年にもわたって、子どもたちや家族が呼吸する空気を、車が汚染しているという状態を許してきました。もう、自分たちの車が子どもたちをぜんそくにしていると心配しなくてもいいようにしたい。ガソリン車による環境汚染で、山火事を悪化させ、煙のような空気に包まれた日を増やすべきではありません。氷河を溶かし、海面を上げ、私たちの大切なビーチや海岸線が脅かすものはやめるべきだ」と述べた。
ロサンゼルス市では、市長のエリック・ガルセッティが2050年までにカーボンニュートラルにするという目標をすでに設定していた。しかし、これらの目標は単なる目標に過ぎないのに対し、ニューソムの州知事命令より正式な命令となる。
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