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オーストラリア政府が接触追跡アプリをリリース

Maxim Boon
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Maxim Boon
Covid-19 contact tracing app hero shot
Photograph: Engin Akyurt/Unsplash
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議論を呼んでいるオーストラリア連邦政府の接触追跡アプリが、4月26日にローンチされた。「CovidSafe」と名付けられた同アプリは、シンガポールで開発されたというTraceTogetherから着想を得ている。主な機能は、人との接触の記録と新型コロナ感染リスクの警告だ。人との接触の記録は、近くのデバイスとのBluetooth通信を利用して行われる。

ユーザーが15分以上、1.5メートル未満の間隔で密接に接触した人を濃厚接触者として記録。感染リスクの警告は、ユーザーの濃厚接触したうちの誰かが検査で陽性になった場合に発信される。警告は、自身の検査の受診と自己隔離を開始するタイミングの判断に役立つというわけだ。

連邦政府は、全土で現在も行われている厳しい社会的制裁の撤回に向けて、準備を進めている。そのなかで重要な役割を担うとされているこのアプリは、保健当局における市中感染の調査、追跡を強化できる。アプリの開発に加えて、各州政府はここ数週間、検査能力と救命救急施設の設置を大幅に拡大してきた。

CovidSafeが有効に機能するためには、人口の40%がこのアプリをダウンロードする必要がある。これに成功すれば、数週間以内に小売店、職場、飲食店などに対する規制緩和が期待される。このアプリは国の急激な景気後退を反転させるための重要な足がかりとして、連邦政府関係者から歓迎されている。しかしその一方で、データの安全性やプライバシーの保護に対する懸念がアプリ発展の足かせになっている。

首相のスコット・モリソンと内務大臣のピーター・ダットンは、国民に対して、このアプリは行動追跡装置のようなものではなく、収集されたデータには警察を含むどの連邦政府機関もアクセスできないことを保証した。ユーザーのプライバシーをさらに保護するため、アプリをダウンロードする際に要求されるユーザー名は仮名での入力も可能だ。また、年齢、携帯電話番号、郵便番号も入力する必要があるが、経歴や医療情報などそれ以外の情報は必要ない。

アプリによって収集されたデータは暗号化され、ユーザーのスマートフォン内に21日間保存された後、陽性が確認された人との接触がなければ削除される。もしユーザーが感染したと診断された場合は、データはそのユーザーから許諾を得た上で、保健当局とのみ共有される。アプリのダウンロードは完全に任意で、アンドロイドとiPhoneで利用が可能だ。

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