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アートフェア東京がオンラインギャラリーで作品を販売

テキスト:
Sato Ryuichiro
Art Scenes
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新型コロナウイルスの影響で、多くのイベントが自粛し、SaveOurSpaceのように、ライブハウスなどの文化施設の休業に伴う補償を支援する動きも出てきた。もちろん文化施設はこれらパフォーマンスや音楽に限定されるわけではない。美術館やギャラリーなどのアートに関わる施設も休廊、休館を余儀なくされ、世界各国で支援の動きが出ている。今回は、アートマーケットの動きを紹介したい。

国内最大のアートの見本市の一つである『アートフェア東京2020』は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中止に。アーティストもギャラリーも損失を被ることとなった。この損失を補おうとする試みが、AFT Art Huntingだ。このオンラインギャラリーモールは、TODOROKI社がオンラインサービスの「Art Scenes」を提供して実現した。Art Scenesでは、ギャラリーがセレクトしたアートをオンライン上で販売でき、アートフェアや展覧会のオンラインビューイング機能も有する。

今回は『アートフェア東京2020』に出展されるはずだった作品がオンラインで公開、購入が可能。作品やギャラリーごとに検索可能で、ギャラリーに詳細を問い合わせることもできる。 現時点で80を超えるギャラリーが参加を表明しており、奈良美智から4世紀のブッダ像までさまざまな作品がそろう。 

TODOROKIは、インターネット技術によってアートマーケットの拡大を目的ともしており、それはアート東京が構想していた同様の施策の実現でもある。また、TODOROKIは今回に限らず、コロナの影響を受けているギャラリーにArt Scenesを通して支援を行なっていて、審査を経ればオンラインビューイング機能や作品の売買など全ての機能の無償で利用できる。

こうしたアートマーケットの機会損失を補おうとする動きは、ほかにもある。海外では、アートバーゼル香港2020やフリーズニューヨーク2020が同様にコロナによる中止を受けてオンラインのビューイングルームに向けて動いている。国内では、ほかにアートフェアの自粛を受けて立ち上げられた『Oil by 美術手帖 オンライン・ビューイング』が挙げられる。

オンラインでの閲覧や売買は、クリスティーズなどオークションディーラーが導入して久しいが、これらはコロナで損失を被ったアーティスト個人のみならず、彼らを取り巻くコレクターやギャラリーの支援にもつながっている点に特徴がある。しかし、こうした支援の動きは世界的に見てもまだ多くはなく、AFTはこのようなコロナ禍での支援をめぐる動きとしては国内での数少ない例だ。2020年5月9日(土)までの開催となっているので、ぜひアクセスしてほしい。

オンラインギャラリーモール「AFT Art Hunting」 は、2020年5月9日(土)まで開催。

公式サイトはこちら 

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