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※ 新型コロナウィルスの流行により、本イベントは開催中止となりました(28日開催の下鴨茶寮でのイベントは延期予定)
言わずと知れた文化都市、京都の町を舞台に開催されるアートフェア『ARTISTSʼ FAIR KYOTO』。2018年にスタートしたこのアートフェアは、名前に「ARTISTSʼ」とある通り、 ディレクターを務める椿昇をはじめ、著名なアーティストたちが出品作品を選んでいる点が最大の特徴だ。また、会場である京都文化博物館 別館の厳かな雰囲気でアートピースを購入する体験も反響を集め、第2回の2019年は前年にも増して数多くの作品が取り引きされたという。
国際写真祭の『KYOTOGRAPHIE』や国際舞台芸術祭『KYOTO EXPERIMENT』をはじめ、魅力的なアートイベントが充実している京都だが、『ARTISTSʼ FAIR KYOTO』もまた早くも恒例イベントとして認知されつつあり、大きな注目を浴びている。2020年、3回目となる『ARTISTSʼ FAIR KYOTO 2020』では、タイムアウト東京もメディアパートナーを務め、2020年2月29日(土)と3月1日(日)の2日程で開催される。
印象的なヴェニューでの展示
会場の京都文化博物館 別館は、辰野金吾らしい白い縞が赤れんがの華麗さを引き立てる風格ある建造物。また2019年からは、京都新聞ビルの地階に広がる印刷工場跡も会場として使用されている。こちらは、『KYOTOGRAPHIE』の展示会場としてもおなじみの印象的なヴェニューだ。そのほか、料亭や洋館、ホテル、オフィスビルなど、サテライト会場も町中に登場する予定。家成俊勝と赤代武志が率いるdot architectsによる会場デザインにも期待したい。
出展作家を選定するのは、ディレクターの椿のほか、森美術館での大規模個展も話題になった塩田千春や、『リボーンアート・フェスティバル』の「白い鹿」で一般的にも知名度の高い名和晃平、金氏徹平、ヤノベケンジなど、京都にゆかりの深い人気アーティストたちだ。第2回からは、デコトラのような装飾を施した高級車で焼き芋を販売する『金時』がSNSなどで注目されたYotta(木崎公隆、山脇弘道)が、2020年の第3回には、フェリックス・ガタリの活動とともに知られるフランスの伝説的な精神病院「ラ ボルド病院」に取材した写真集『ソローニュの森』が好評を博した写真家の田村尚子などもアドバイザリーボードとして名を連ねている。
若手アーティストが集結
アドバイザリーボードのアーティストが推薦する作家に、公募により選出された作家も加えて、約50組の若手アーティストが集結。過去にも、『キヤノン写真新世紀2016』のグランプリを受賞した金サジや、contact Gonzoのメンバーとしても知られるNAZEなど、実力ある作家が参加していた。次回は、2019年の『KYOTOGRAPHIE』でも最年少の出展作家だった顧剣亨や、三重野龍らとのペイントユニット「uwn!(うわん)」や看板屋「看太郎」などの活動を行ってきた廣田碧、いわゆる「萌えアニメ」をモチーフとした作品で『美術手帖』の表紙を飾ったこともあるあいそ桃かなど、アドバイザリーボードらが今後の活動に期待を寄せるアーティストの作品が出展される。
企画から運営、出品までをアーティストたちが手がける『ARTISTSʼ FAIR KYOTO 2020』は、現場にいる作家たちだからこそ知り得た、新進気鋭の才能が一挙に見られる好機となっている。世に広く知られた高額な美術作品を購入するのはなかなか敷居が高いが、好きなアーティストがセレクトする若手作家の作品から、アートコレクションを始めるのもいいかもしれない。