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我々は皆、タイムラインに注目して、旅行やレストラン、近所のジムの再開について思いをはせてきた。しかし、その全体の関心を航空各社の感染予防対策へ向けようではないか。これらの取り組みはアメリカが徐々に国境を正常な状態へ戻していくために役立つだつものだ。各社がどんな風に機内を消毒し、乗客を迎える準備をしているか見てみよう。
狭い空間で多くの人が長時間利用する旅客機においては、新型コロナウイルスがまん延する前から、清掃の手順は常に重要とされてきた。一般的に機内では、到着から次の出発までに、米国環境保護庁 (EPA) 認可の消毒剤を使った機内全体の拭き取り、ゴミ捨て、掃除機がけ、リネン交換が行われ、長くフライトに使われた飛行機はさらに徹底的に消毒される。コンデナスト・トラベラーによると、「細かく洗浄を行うため、運行ローテーションから完全に外す」航空会社もあるという。
簡単に広がってしまうウイルスが全世界で猛威を奮い始めてからは、各航空会社はあらかじめ決められた手順に感染症対策を積み重ねることで清掃を強化。航空業界を支援するため、世界保健機関(WHO)と米国疾病予防管理センター(CDC)は、旅客機における衛生管理の新しいガイドラインを発表している。
噴霧機による機内への高品質の消毒剤散布を始めた航空会社もある。到着後フライトの合間に散布される霧状の洗浄剤はトイレ、天井、座席、カート、トレーなど機内のあらゆる箇所に届き、さらに空気も消毒する。デルタ航空のウェブサイトによると、同社は2020年2月以降、アメリカを発着する太平洋および大西洋横断便にこの方法を導入。5月からは同社の全ての便へ広がった。
飛行中において乗客と乗員の接点となる部分もさまざまなレベルで見直されている。ほとんどの航空会社では、乗員はマスクと医療用の手袋を着用しなければならないが、ユナイテッド航空、そしてデルタ航空とアメリカン航空の両国際線では、カトラリーや食器を洗う前に消毒を行っている。カート、リネンやヘッドフォンも同様。使われなかった供給品は捨てられるという。ユナイテッド航空では、飲み物のお代わりを求められた際は、同じコップに注ぐのではなく、新しいコップを使う運用に切り替えた。
機内でどのように空気を循環させるかという課題への取り組みもある。数カ月も前からアメリカのほぼ全て航空会社はHEPAフィルターを調達済み。アメリカン航空によると、同社では「1時間に約15〜30回、または2〜4分に1回、完全な空気交換」を行っている。アラスカ航空の整備技術担当上級副社長であるコンスタンス・フォン・ミューレンは、公式声明で空気のフィルターシステムの重要性と危機における信頼性を強調、「機内で6時間も空気が入れ替わらないということはありません。実際、ほとんどの空気は外から取り入れているものなのです。3分もあれば機内は全く新しい空気に入れ替わります」と述べている。念のためだが、米国疾病予防管理センターの説明では、空気を通して「ほとんどのウイルスやほかの細菌は、それほど簡単には広がらない」とのことだ。
疑いの余地はなかったが、我々の愛する航空会社が最近取ってきた一連の予防措置には感心したと言わざるを得ない。再び安全に世界を飛び回ることができるようになるのが待ち遠しい。
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