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巣ごもりを続けていると、映画や音楽はネットで新しいものに触れる機会が比較的多いかもしれないが、電子書籍を除けば、新しい本との出合いはそうそうないだろう。そして本は、紙の手触りこそが愛おしい。
スノーショベリングが4月から期間限定で始めた本の宅配サービス、アンバーリード(Umber Read)はこの欲求を二重に満たしてくれる。自分の知らない新しい本に出合えるという意味と、それが紙の匂いのする本という意味で。
スノーショベリングのスタッフNが公共交通機関を使わずに自宅まで配送してくれる。内容は、Aセット(家にいることを楽しむための3冊)、Bセット(とにかく時間があるから、せっかくなので長い物語を読んでみる3冊)、Cセット(シェフの気まぐれサラダが嫌いな店主じゃなくてNのゴリ押し3冊)、Dセット(Blinda Date With a Book、12〜15種類の本のうちから現場で選んだ覆面本3冊セット)から選べる。商品は全て古書となり、各セット2,500円(配送料込み)で、郵送も行なっている。
オプションには、無料オプションZ(スタッフNとのソーシャルディスタンスを保っての世間話サービス)、無料オプションX(スタッフNとのデリバリー記念セルフィー)が用意されている。無料オプションXからも分かるように、マスク着用とソーシャルディスタンスの徹底がポリシーだ。配送の対象となる地域は世田谷区と目黒区だが、近隣の区でも配送してくれる場合があるので相談してみよう。
もともとは、「家で暇だったり、本も買いに行けないようなこんなポイズンな環境(ヨノナカ)のなかで、『だったら届けますよ、本』というサービス」だという。「アンバー」はラテン語の闇(Umbra)に由来し、現在の自粛要請下での闇取引という含みも持たされている。
「人間としての好意の上での信用取引」で、「例えばあなたがパン屋だったらパンオショコラを、お菓子屋だったらミルクレープを、実家から野菜がたっぷり送られてきたらベジタボーを、交渉いただければ常にケース毎に応じます。またお金が本当にない人は、無期限の手形を切りますので『いつか』でいいです」ともいうように、物々交換などにも応じてくれる柔軟さだ。
注文は、公式 Instagramのダイレクトメッセージや公式サイトからできる。スノーショベリング自体は5月6日(水・振休)まで店舗営業を行っていないが、本と人の出合いを仲介する上で、ここまで臨機応変に対応してくれる温もりのあるサービスはなかなかないだろう。興味を持ったら、ぜひ利用してみてはどうだろうか。
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