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あのヤドカリシリーズも登場、AKI INOMATAの個展が日本初開催

テキスト:
Time Out Tokyo Editors
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『ミラノトリエンナーレ』や『タイビエンナーレ』など、これまで海外を中心に活動してきたアーティスト、AKI INOMATA。そんな彼女の国内初となる個展が、9月14日(土)から青森県の十和田市現代美術館で開催される。

AKI INOMATAの作品といえば、さまざまな生物とのコラボレーションが特徴として挙げられる。彼女は観察と調査を踏まえながら、今まで飼い犬やミノムシなどをはじめとする多くの生物との「共同作業」を行ってきた。

特に彼女の代表作とされているのが、『やどかりに「やど」をわたしてみる』シリーズだ。3Dプリンターで作った世界各地の都市を模したヤドを、ヤドカリに背負ってもらうインスタレーション作品である。透明なヤドに入るヤドカリは、神秘的である一方で、世界のランドマークを背負う姿からは国境や移民、国籍などのテーマが醸し出される。

《やどかりに「やど」をわたしてみる -White Chapel-》2014-2015 ©AKI INOMATA / Courtesy of MAHO KUBOTA GALLERY

展覧会タイトルは「重要な他者性」

個展タイトルである『Significant Otherness』は、「重要な他者性」を意味する。この言葉は、科学史家のダナ・ハラウェイが示す地球上に生きる生物との関係の在り方から着想を得たものだ。

今回の展示では、ヤドカリのシリーズのほか、タコとアンモナイトについての考察作品や、震災の影響を受けたアサリを観察した作品、女性の衣服を刻んだ布をミノムシにまとってもらう作品などが展示される。人間が身にまとう文化を、ほかの生き物つまり他者が背負う姿。われわれ鑑賞者は彼女の作品を通して他者を観察することで、今まで見えてこなかった自らのことを浮き彫りにしていくことになる。

《やどかりに「やど」をわたしてみる -White Chapel-》2014-2015 ©AKI INOMATA / Courtesy of MAHO KUBOTA GALLERY

なお、青森県南部地方で飼育された南部馬を題材にした新作も展示予定だ。個展は2020年1月13日(月・祝)まで開催される。

『AKI INOMATA:Significant Otherness 生きものと私が出会うとき』の詳しい情報はこちら

テキスト:高木望

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