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テキスト:高木望
「音楽xアートx社会をひとつにつなぐ、カルチャーのショッピングモール」をテーマに掲げるフェスティバル『THE M/ALL』が、6月11日にTシャツプレゼント企画を発表した。
みんなはどんな世の中にしたい?自分の想いを #THEMALL2019 #メッセージTシャツプレゼント のハッシュタグ2つをつけてツイートすると、メッセージTシャツがもらえるよ! MALL公式 @THE_M_ALL からDMにて当選連絡をするのでフォローをお忘れなく♡ デザインはここから選んでね! https://t.co/D6tSVpBpn9 pic.twitter.com/UqrMdb6ADW
— THE M/ALL (@THE_M_ALL) June 10, 2019
この企画は、「どんな世の中にしたいか」という自分の思いを特定のハッシュタグをつけてツイートすると、『THE M/ALL』が2019年1月から行っているプロジェクト「100VOTE T-SHIRTS PROJECT」で販売されているメッセージTシャツがもらえる、という内容だ。
雑誌「ViVi」プレゼントキャンペーンへの皮肉
これは一見すると何の変哲もないプレゼントキャンペーンのように見えるが、恐らく、いや間違いなくあの出来事が元ネタであろう、皮肉のきいた企画だ。
元ネタとは、6月10日、ファッション雑誌『ViVi』のオンライン版が発表したプレゼントキャンペーンである。
みんなはどんな世の中にしたい?自分の想いを #自民党2019 #メッセージTシャツプレゼント のハッシュタグ2つをつけてツイートすると、メッセージTシャツがもらえるよ!ViVi公式Twitter(@vivi_magazine )からDMにて当選連絡をするのでフォローをお忘れなく♡ #PR 詳しくは↓
— ViVi (@vivi_magazine) June 10, 2019
https://t.co/JDRsHelmZL
リンク先では、『ViVi』で活躍するモデル「ViVigirl」の9人の「いろんな文化が共生できる社会に」「お年寄りが外国人に親切な国でありますように」などといった世の中へのメッセージが掲載されたサイトへ飛ぶ。
モデルたちが着るTシャツには「Be Happy」や「Diversity」といったメッセージがデザインされている。そしてよく見ると、Tシャツの袖には自民党のロゴが入っていることが分かる。キャンペーンの問い合わせ先が「#自民党2019 プロジェクト事務局」であることからも分かる通り、これは自民党と『ViVi』のタイアップ企画なのだ。
「NEW GENERATION」の声とは
「新しい政治の幕開けを宣言する企画」として天野喜孝のイラストを発表するなど、新たなプロモーション活動が話題を集めていた自民党。今回のキャンペーンに対し、SNS上では「公選法の“買収罪(物品の供与)”に該当するのでは」「特定の政党に偏ったPRをすることはファッション誌としてどうなのか」という批判や、「憲法改正に誘導する企画なのでは」という声も上がっている。
なおハフポスト日本版によると、講談社は今回の企画に関し「政治的な背景や意図はまったくない」と回答している。
女性誌「ViVi」が自民党のタイアップ記事を載せたことが話題に。
— ハフポスト日本版 (@HuffPostJapan) June 11, 2019
出版元の講談社のコメントとは?https://t.co/xCF9THdWoL
『THE M/ALL』のプロジェクト「100VOTE T-SHIRTS PROJECT」では、社会問題や政治的イシュー、カルチャーについてのメッセージなど、さまざまなテーマのTシャツを展開している。実際に、彼らがリリースするデザインには「DON’T LIE YOUR LIES BREAK MORALS AND COUNTRY(あなたの嘘が道徳と国を壊す)」や「VOTE FOR YOUR BEAUTIFUL LIFE(あなたの美しい人生のために投票を)」といった、政治に対するメッセージが込められたデザインも散見される。
「現代の社会的な関心事について自由な意見を表明する場を提供したい」と真剣に考える「NEW GENERATION」とは誰なのか、冷静に見極めたいところだ。