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LGBTQに開かれた情報を発信、プライドハウス東京レガシーの試み

スポーツをきっかけとしてセクシュアル・マイノリティが暮らしやすい社会へ

テキスト:
Time Out Tokyo Editors
プライドハウス東京レガシー
Photo: Keisuke Tanigawa
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国際カミングアウトデー(National Coming Out Day)の2020年10月11日。新宿御苑駅から3分ほどの場所に、LGBTQに関する情報発信の場として日本初となる大型常設センター、プライドハウス東京レガシーが産声をあげた。

プライドハウス東京レガシー
プライドハウス東京レガシー

プライドハウスとは、「LGBTQとスポーツ」の視点から閉鎖的なスポーツ界へ向けた学びの場として、またセクシュアリティーを問わずあらゆる人々が安心して過ごせる場の提供を目的とし、2010年バンクーバー冬季オリンピック競技大会から始まった施設。ソチ五輪を除くオリンピック・パラリンピックやFIFAワールドカップなど大型国際スポーツ大会に合わせて、世界中の実施団体が設立と運営を行ってきた。 

新宿通り沿いの建物2階。レインボーフラッグが目印
新宿通り沿いの建物2階。レインボーフラッグが目印

セクターを超えて連帯したプロジェクト

この施設を運営するプライドハウス東京コンソーシアムは、36の団体と専門家、15の企業、19の大使館、アスリートやスポーツ関係者らがセクターを超えて連帯したプロジェクト。八つの個別のテーマからそれぞれの強みを生かしたチーム編成と役割分担が行われている。

プライドハウス東京レガシー
プライドハウス東京レガシー

利用者には、多様性に関する情報発信とともにイベントやコンテンツを提供。施設の構想自体は2015年に始まり、2019年のラグビーワールドカップ開催時には原宿神宮前で期間限定のポップアップ交流スペースを設けていた。

当初は東京オリンピック・パラリンピック大会後、2021年以降の設立を予定していたが、コロナ禍にこそ性的指向、性自認を問わず安心してつながりを持てる場所がこそ必要と判断しオープンに至る。 

あらゆる人々に開かれた場所として

施設内には常時数人のスタッフが常駐。事務局は認定NPO法人グッド・エイジング・エールズが務め、小学校の教員や編集者など、さまざまな職業の人々が携わっている。今後はバーカウンターでドリンクを出すなど、カフェの運営も企画中だ。

プライドハウス東京レガシー
プライドハウス東京レガシー

LGBTQの当事者だけでなく、アライ(ally=「仲間」や「同盟」を語源とし、セクシュアル・マイノリティ当事者を支援する人々を指す)の立場として訪れることもできる。机や棚などの木材は、足場板をリユースして作成されたもの。あらゆる人々に開かれた温かい安全な場所として、木の温もりを感じる空間を目指したという。

館内ポップ。「LGBTとスポーツの困りごと」として、セクシュアル・マイノリティの子どもたちが抱える悩み、共に考えるための呼びかけを掲示
館内ポップ。「LGBTとスポーツの困りごと」として、セクシュアル・マイノリティの子どもたちが抱える悩み、共に考えるための呼びかけを掲示

LGBTQに関する書籍が詰まった本棚

入り口すぐの本棚には、LGBTQやフェミニズムに関するさまざまな書籍が詰まった本棚が並ぶ。現在600冊ほどあり、訪れた人はここでゆっくりと本を読むことができる。

LGBTQに関する書籍がずらりと並ぶ
LGBTQに関する書籍がずらりと並ぶ
項目ごとに分けられた本棚
項目ごとに分けられた本棚

日本では、未だ法制化されていない同性婚をはじめ、セクシュアル・マイノリティの権利が守られ、安心して暮らせる環境とは言い難い現実がある。誰しもが平等な社会の実現へ向けて当事者の利用はもちろんのこと、当事者以外の人々も想像力を持って、まずは知るために訪れてみてほしい。

『LGBTQコミュニティ・アーカイブ』クラウドファンディングを募集

 プライドハウス東京では現在、『LGBTQコミュニティ・アーカイブ』の実現を目指したクラウドファンディングを実施中。当事者や活動団体、研究者、専門家が紡いできた資料を未来へ残すとともに、人々が気軽にアクセスできる横断的かつ恒常的なアーカイブの設立を目指している。

プライドハウス東京レガシー
プライドハウス東京レガシー

支援金額は3,000円から。漫画家の竹内佐千子や田亀源五郎のオリジナルイラストが入ったTシャツなどのリターンも魅力的だ。募集期間は2020年11月19日(木)23時00分まで。伝えなければならない歴史と文化を残すために、今できることをしよう。

『LGBTQコミュニティ・アーカイブ』クラウドファンディングの詳細はこちら 

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