[title]
東京は、様々な様式の建築で成り立っていることで知られている。地域によっては、辺り一帯の建物構成がちぐはぐに見えるほどだ。しかし、ブルータリスト建築の愛好家たちにとっては、丹下健三や安藤忠雄、伊東豊雄といった巨匠らによって引き継がれてきた、建築の宝庫と言えるだろう。彼らは皆、コンクリートを型破りに使うことで知られる日本の建築家だ。
そんな面白い建築を把握したいときに活躍してくれるであろうマップ『Concrete Tokyo Map』を、Blue Crow Mediaがリリースした。Blue Crow Mediaとは、主に様々な都市の建築マップを制作している出版社だ。マップには、東京で押さえておきたい50のコンクリート建築がまとめられている。編集は、建築家から作家に転身したナオミ・ポロック。片面には東京の地図が掲載され、裏面には建物の場所と設計者が英語と日本語で紹介されている。いくつかの建物の写真や、コンクリート建築についてナオミ・ポロックが書いたレビューも掲載されているので、入門者にとっても分りやすいものとなっている。
建物の背景を伝えるストーリーや、公共的な建物の開館時間についての情報は紹介されていないので、野性味溢れるデザインにそれほど惹かれない人々にとって、1,350円というマップの価格は少々高いと感じられるかもしれない。しかし、その場所に出かけて、東京で最も興味深いコンクリート建築を探索してみるという点では、十分な手がかりを提供してくれるものとなっている。『Concrete Tokyo Map』は、代官山 蔦屋書店やGA gallery、本屋 B&Bなどで販売されている。気になる人はぜひ手に取ってみてほしい。