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タイムアウト東京が注目する、今月公開の映画を紹介。今月は、第90回アカデミー賞で作品賞を受賞したことでも話題の『シェイプ・オブ・ウォーター』のほか、映画『パリ、テキサス』や『ツイン・ピークス』で知られる俳優ハリー・ディーン・スタントンの最後の出演作品となった『ラッキー』、映画『ロブスター』など奇妙な作品を生み出してきたヨルゴス・ランティモスの新作など、見逃せない作品が公開される。
『シェイプ・オブ・ウォーター』2018年3月2日(金)公開
監督:ギレルモ・デル・トロ
ギレルモ・デル・トロの精神は、ぐにゃぐにゃした性的な領域に向かっている。映画『パンズ・ラビリンス』や『クリムゾン・ピーク』における骨張ったクリーチャーをへて、今作では肉欲的な快楽を好む、奇妙なクリーチャーが登場する。本作は、成人向きのファンタジーを求めていた彼のファンにとっては、オーガズムの洪水のはずだ。
『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』※2018年3月3日(土)
(C)2017 EP Sacred Deer Limited, Channel Four Television Corporation, New Sparta Films Limited
監督:ヨルゴス・ランティモス
独身は法的に罪とされる社会を描いた映画『ロブスター』など、奇妙な作品を生み出してきたヨルゴス・ランティモスの新作は、家族の崩壊を描くサスペンススリラーだ。謎の少年マーティンを自宅に招き入れたことをきっかけに起る不可解なできごとを、音や映像効果を巧みに操り、映し出す。主人公スティーブンをコリン・ファレル、スティーブンの妻をニコール・キッドマンが演じている。
『ハッピーエンド』※2018年3月3日(土)公開
(C)2017 LES FILMS DU LOSANGE - X FILME CREATIVE POOL Entertainment GmbH - WEGA FILM - ARTE FRANCE CINEMA - FRANCE 3 CINEMA - WESTDEUTSCHER RUNDFUNK - BAYERISCHER RUNDFUNK - ARTE - ORF Tous droits reserves
監督:ミヒャエル・ハネケ
オーストリアの巨匠ミヒャエル・ハネケの新作では、ヨーロッパの難民問題を背景に、フランス北部の町カレーで暮らす問題を抱えた3世代の家族の姿が描かれる。タイトルは『ハッピーエンド』だが、悲観的な作品に仕上がっている。ハネケは、タイムアウトロンドンのインタビューに「『いかに愛する者を殺すか』という問題を見つめたかった」と話している。
『素敵なダイナマイトスキャンダル』※2018年3月17日(土)公開
(C)2018「素敵なダイナマイトスキャンダル」製作委員会
監督:冨永昌敬
雑誌『ウイークエンドスーパー』『写真時代』で知られる雑誌編集者、末井昭(すえいあきら)の自伝的エッセイが映画化される。幼少期に、実母がダイナマイト心中を図ったという強烈な体験や、エロ雑誌の世界へと足を踏み入れる末井の人生が描かれる。末井役は、柄本佑(えもとたすく)が演じ、前田敦子や松重豊、村上淳らが脇を固める。
『ラッキー』 ※2018年3月17日(土)公開
(C)2016 FILM TROOPE, LLC All Rights Reserved
監督:ジョン・キャロル・リンチ
2017年9月に逝去した、ハリー・ディーン・スタントン(映画『パリ、テキサス』『ツイン・ピークス』など)の最後の主演になった作品。90歳の気難しい現実主義者ラッキーを軸に、人生の最後の時間について描いている。スタントン本人の体験に基づくエピソードや、スタントンの友人デビッド・リンチも登場する。