あなたの目の前に、恐怖の表情を浮かべた裸の男性がいるとする。彼の背後には、1人の男性がゴムバンドの端を握り、別の男性が反対のゴムの端を裸の彼の股の間に通し、それをそっと渡してきたら、あなたはどうするだろう? 答えはひとつ。ほかの観客と共にカウントダウンし、「3、2、1」の合図で、伸びきったゴムを手放す。そして、大事な部分にゴムを打ちつけられた、可哀想だけど勇敢な男性が床に転がるのを見つめる。それだけで、会場は熱狂の渦に包まれるのだ。
通常のショーパブは、ラスベガススタイルの華やかさと日本の伝統舞踊を混ぜ合わせたようなものが主流。また実際に夜遅く開催しているショーは少なく、出演者が全員男性であるのに「キャバレー」と呼ばれるような、怪しげなものばかり。しかし私たちは、こうして夜の街に集まる人々を楽しませることが仕事の、この男性の縮こまった性器と向き合うこととなった。六本木のショーパブ体験は、決して一般的なものとは言えないだろう。
六本木には数多くのショーパブとキャバレーが点在し、そのエンターテイメント性や露出度の高さは、それぞれによって異なる。ホストクラブやホステスバーとの違いは、ショーをメインにドリンクとフードを提供しているところ。また共通点は、綺麗に着飾った女性や男性 (もしくは女装した男性) と交流できること。どちらも日本のサラリーマンと働く女性たちをファンタジーの世界へと導いてくれるのである。自制心も羞恥心も解き放ち、日本のカイリー・ミノーグと一緒に『江南スタイル』を踊ってみてはいかがだろう。