春日通り近く、佐竹商店街アーケード内にある「江戸風鈴」の工房兼ショップ。「江戸風鈴」とは、江戸時代後期から愛されてきた、清らかな音で風を知らせるガラス製風鈴。もともと店主の祖父の代から制作を手がけており、文化・技術の保存、また大量生産品との差別化のため、店主の父にあたる篠原儀冶から「江戸風鈴」の銘を使用するようになった。同風鈴は、型を用いずひとつひとつを空中で吹いて形を整える「宙吹き」でガラスを成形しているため、形や音がそれぞれ微妙に異なるのが特徴。あえて鳴り口を研磨しないことで、耳あたりの良い澄んだ音色が楽しめるのも魅力だ。顔料を用いて風鈴の内側から描かれる絵柄は、涼しげな『三匹金魚』や『あじさい』、縁起物の『宝船を待つ(松)』や『かぶ(家富)』など様々。定番の小丸型のほか、すずらん型、釣鐘型なども取り扱っている。
予約制で製作体験もでき、絵付けのみ(1,200円)は通年、ガラス吹きから絵付け(1,700円)は9月~11月頃を中心とする期間限定で受け付けている。なお、年によっては、初夏にもガラス吹きが体験可能な場合もある。店主は実に簡単そうにやってみせる宙吹きだが、そこは職人技。実際に体験してみると、その難しさが体感できて面白い。うまく作れるようサポートしてもらえるので、不器用な人でも安心してトライしてみてほしい。もちろん、自作の風鈴は当日に持ち帰り可能。自分で吹いた風鈴の音色は、また格別だ。